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生煮え“ナマコ”の出来上がり!

森 雅志 1995.10
 おかげさまで9月議会は無事終了した。僕にとっては2度目の本会議であった。そして、僕にとって特筆すべきことは、今議会において初めての一般質問の機会を得たことだ。
 この一般質問は20分間という時間とは言え本会議場の壇上において行なう訳だから、一年生議員にとってはそれなりに不安と緊張の入り混じるものである。支持して頂いた皆さんの期待や、先輩議員や知事はじめ当局の注目といったものも感じる。だからこそ自分なりのカラーでやろうと意気込んで準備を始めたのは7月の終わりだった。
 僕は夏の間に県教育委員会、埋蔵文化財センター、図書館、市町村教育委員会などあちこちを駆け回った。そしていろんな人に会い、資料や図書にもたくさん目を通し、充実した夏を過ごした。
 いよいよ議会が招集され、そして僕の質問は9月20日に予定された。事前通告のこともあるので17日中には全ての準備を終えなければならない。僕は少しの焦りを感じながらも早速に取りかかった。
 そして色んな角度から検討し、充分に吟味しながら一晩で質問を書き上げたのだ。何度も読み返しながら僕は充足した気分とすこしばかりの自信とを感じていた。そしてその時にはその後の数日間のできごとなど予想もしていなかった。
 翌日、県当局から連絡があり質問要旨などの事前すり合わせに入った。そしてなんとその日の午後から早速に担当者による攻勢が始まった。もちろん僕は穏やかさと寛容さに満ちた質問を望んでいる者なのだ。しかし担当者の姿勢はまるで僕の真意を理解していないもののようであった。謂わく、「現在検討中なのでなんとか…」とか「影響が大きいので止めて欲しい…」とかである。彼は日曜日にも訪ねてきて、哀願するかのようにして僕の原稿を添削するのだった。
 こうして僕の質問はホネもトゲもなく、その上気味が悪いくらいに生煮え状態へと大きく変質していった。まるで生煮えナマコのようになってしまったのだ。もちろん僕はこの干渉と添削を拒否することもできたのだろうけれども、情けなくもよってたかって手込めにされたのだった。
 しかしこのままナマコ人間になる訳にはいかない。きっと次には喉仏に大きなトゲとなって着き刺さってやろう。それが過激だというならせめて陰花植物になってヤルゾ!