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二千年の歳男

森 雅志 2000.01
 新年明けましておめでとうございます。

 また新しい年がめぐってきました。特に今年は西暦2000年。

あまりにも言われ続けているのでほとんど陳腐化していますが、やはり改めてミレニアムについての感慨を抱かざるを得ません。


 いよいよ新しい千年時代に突入したのだなあ!という震えるような感慨。人類の歴史の流れの中で千年に一度という節目に生を受けているということの感動。そんなことを強く感じています。

 この千年の間に人類は地球という概念を生み、やがて科学文明をもって地球全体を包み、ついには宇宙にまで飛び出したのです。同時に有史以前から続いてきた人間としての営みを大きく変質させてきました。そして何よりも大切なこの「地球」自体をもいじくりまわし、変質させてきたのです。特にこの百年において人類は確実に「地球」を傷つけて来ました。


 尤もそういつた人類の所業も「地球」の創造主にすれば折り込み済みのことなのかもしれません。人類の叡智を超越した、「地球」自体の宿命なのかもしれませい。さらに言えば、仮に人類が今日に至っても四千年前と変わらない文明しか持ち得なかったとしても、「地球」はそれ自体の一種の老化として変質してきたのかもしれない。


 しかし、だからと言って人類文明の負の遺産である環境汚染や森林破壊、温暖化、オゾン層の破壊といったことがらが免責されるわけであるません。このことを正面から考えなくてはならないと思います。

 人類の一員であることに誇りを持ち、人類文明の偉大さを称えつつ、しかし同時に人類はもう一度千年という時間をかけて地球号のために行動すべきなのではないでしょうか。


 もちろん僕には千年というスケールで物事の有り様を考える器量はありません。しかし、人類が将来必ず三千年紀を迎えることができるためにも、今この瞬間において、愛する地球号を大切にしていかなくてはならないという思いだけは日に日に強くなっています。

 2000年という節目の新年だからこそ、真っ直ぐ前を向いて宣言しようではないか、SAVE THE 地球!と。


加えて、今年、僕は歳男なのである。昭和27年生まれだからその年から数えて、4回目の龍年なのである。もう決して若くはない歳になったのだ。昔ならもうとっくに孫もいるという立派な大人である。社会にあっても地域にあってもまさに中枢を担う年齢ではないか。はたして自分は何をしているのかという忸怩たる思いにとらわれる。

そんなことを考えるだけに、いつもの新年とは一味違った意味で、知らずに居ずまいを正してしまう。

(ナカナカ素直でいいじゃないか。)

 今年も宜しくお願いします。