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富山県は印象がうすい?

森 雅志 2000.04
過日、ある方から手紙を頂いた。

富山県が3月14日に読売新聞などの全国紙に一面広告を出したのだが、その内容があまりにひどいじゃないか、という趣旨の手紙であった。同時に、その広告のコピーが同封されていた。東京に在住するその方の娘さんが送ってくれたのだという。娘さんの言葉を借りれば、見た瞬間に「ゲッ」と思ったということだ。


なるほど、新聞の一面広告を手にして見て僕も絶句した。

曰く、「富山県は印象が薄い。暗い。寒い。観光の目玉がない。特産物がない。遠い。交通が不便。何もない。」というコピーが大きく踊っており、そして、富山県についてこんな印象を持っている人が多いようだがそうでもないのです。もっと富山県に興味を持ってくださいという趣旨の言葉が小さく載っているのです。


いわゆる逆説的な効果をねらった広告手法なのだろう。しかし、それにしても少しやりすぎではないのか、という思いを禁じ得ません。ここまで自虐的に表現しなければならないのかという思いです。

県のイメージアップをねらう広報ですから、数値的に評価のできない問題ではあります。

そうは言っても、ここまでやると首を傾けたくなる。どうも広告代理店のマニアックな姿勢や遊び心に引っ張られすぎなのではないかという気がする。

大胆に仕事をするのは良いことだけれども、独善に過ぎてはいけない。


若い職員の気負いもわかるが、はしゃぎすぎはよくないと思う。

30人ほどの人の感想を聞いたが、一人を除いて否定的な人ばかりであった。

広報課長は「確かにいろいろな意見がありまして…・」と、予想通りの説明。

全国紙に全面広告を打てばかなりの費用だと思う。大丈夫なのかといいたくなる。

少しばかり品がないことになるかもしれないが、次の常任委員会ででも意見を述べておこうと思う。


図書館等に行けば見ることができます。僕のように見落としていた人は一度ご覧になってください。どんな感想をお持ちになるでしょう。

ちなみに、同じ内容のポスターを都内の地下鉄の中吊り広告でも、それも一両分買い取りで打ったそうです。


イヤハヤ、富山県も元気なことで……。