イラクの戦争もいよいよバグダッド市内での市街戦の様相を呈してきた。ロイター通信の記者が直撃されるという事態も発生した。ここまできたら一刻も早くフセイン体制が崩壊して戦争が終結することを願う。戦後処理を文字通り独裁体制からの開放という形で展開することができるかどうかがポイントだろう。アラブ世界からの一定の支持や理解を構築しなければならない。それができないとすると現在の激動と混迷状態が深刻化することになる。世界史的にも重要な局面にさしかかっていると思う。 今日は桐朋学園大学院大学の入学式であった。学長や理事長の挨拶の中でも現下の時代認識の披露があり、そういう時代だからこそ芸術が果たす使命は大きいというような内容であった。感銘を受けた。ヘーゲルの言った「ミネルバの梟は黄昏に飛び立つ」という言葉を思い出し、今こそこの言葉の意味を考えなくてはならないと思い、僕自身の挨拶の中でそのことに触れてみたが、はたして若い芸術家たちは理解してくれたのだろうか。今からでも遅くない、梟が世界中に飛び立つことを願ってやまない。
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