最近、特に酒を飲む機会が多い。なるべく飲み過ぎないように気を付けているのだが、時々には度を越してしまう。そんな時に困るのが、翌朝目を覚ましてみると前夜の出来事の後半部分の記憶がまったくないということが発生することである。もっとも酔っぱらっている最中はそれなりに話したり行動したりしているようだ。別段、乱暴狼藉をはたらいている様子もなければ、酔った勢いで妻の寝室に侵入したりしている風でもない。もちろん見知らぬ部屋で目がさめたということもない。それどころかパジャマに着替えた後でズボンをプレッサーにセットまでしているのである。それでも記憶が途切れた後から目覚める瞬間までの数時間の出来事を(もっともその数時間のうちの殆どは泥のように眠っているのだが)まったく思い出せないのである。困ったものだ。 恐る恐る一緒に飲んでいた人に訊ねてみると、それほど酔っているという風ではなかったという答えが必ず返ってくる。そうだったのかと安心した頃から少しずつ記憶がよみがえって来るから不思議である。おそらく脳の中の記憶を呼び戻す部位がその頃まで酔っぱらっているのだろう。人間の記憶のメカニズムというものは極めて複雑なものなのだと思い知らされる。同時に酒の魔力についても思い知らされることとなる。思い知ったからには学習効果を発揮するのが人間である。今日からは深酒することとなった時には、飲みながらしっかりメモを取っておこうか?。それよりも数多い今までの飲酒による失敗話をこれ以上増やさないためにも、午後9時になったら何があろうと帰宅するという方針を明確にした方が良いのかもしれない。それこそが学習効果ではないのか。しかし現実にそんなことを実行できるのか。困難だがやらねばなるまい。ムムムムム、ムッ。 とりあえず飲みがら考えることにしよう。6時から飲み出せば9時までに3時間もあるじゃないか。答えを出すのに十分な時間だ。ウフフフ。
|