先日予告していた立山行を大胆にも実行した。朝から雲行きが怪しかったにもかかわらず、天気予報頼みで決行した。室堂から一の越しへ行く段階で既に視界が極めて悪く、周囲の地形が見えないまま雪上をヤミクモに登っていくという、言わば「八甲田山死の行軍」状態であった。この時ばかりは「みくりが池山荘」で温泉につかりながらビールを飲むという風に計画を変更したいと絶叫していた。 予定の時間より遅れて一の越し山荘にたどり着いたこともあり、当初の計画どおりに縦走することはできなかったものの、大汝山山頂に立つことができた。ここが富山県における最高標高地点だと聞いて少しばかり得意になっている。雷鳥に出会ったりいろいろな人に声をかけられたりして楽しかったが、何よりも黙々と無心になって歩くという時間が実に気持ち良く、最高の一日であった。同行の皆さんに迷惑をかけることなく登山ができ、おかげで体力に一応の自信を持つ事もできた。上々の結果であった。 それよりもなによりもひょっとしたら山好き人間だったのかも知れないと思い始めている自分に驚いている。案外、無謀だといわれている剣岳登山も実現するかもしれないナァ。気分は既にヒラリー卿化しているのである。
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