初めてロンドンに行ってきた。二泊しかできなかったもののナショナルギャラリー、クィーンズギャラリー、ケンウッド・ハウスと3ヶ所の美術館を廻ることができた。以上の美術館に全部で4点のフェルメールの作品が収蔵されているので巡回してきた次第。残念ながら他の美術館に貸し出されているなどの理由によって2点しか見ることができなかったけれど、郊外にあるケンウッド・ハウスにも行けたので良かったと思う。同行者のお陰である。 その際、クイーンズギャラリーからホテルまで、途中でナショナルギャラリーに寄りながら歩いて移動してみた。従って、バッキンガム宮殿からトラファルガー広場に出て、ピカデリーサーカスを経由してリージェント通りを歩いたことになる。ロンドンの一番の繁華街を歩いたのだから、賑やかさを通り越してうるさいくらいの喧騒振りであった。 いったい幾つの人種の人とすれ違い、何ヶ国の国籍の人とぶつかりそうになったのやら分からない。彼らが話している言語もはたして何種類あったのだろうか。十や二十では済まないのではないかと思った。文字通りの人種の坩堝であり、言語の混沌であった。他民族社会、多言語社会、文化の多様性などといったことを強く実感させられた。イギリスがEU加盟以来、移民の受け入れを積極的に進めてきたことの結果であろう。確かにイギリス経済は急成長したのだろうが、先日のグラスゴーにおけるテロ事件のように負の側面もまた急成長している。難しい問題だと思わされた。わが国の将来を考える上からも、EU諸国内の人の移動や、アラブを含めた移民の実態などについてもっと学ぶ必要があると思う。我々はいつまで単一民族国家だと言っておれるのだろうか。人口減少社会だからこそ移民政策の是非の議論を避けて通れないと思うのだが。 今朝も中国人と思しきたくさんの若い女性たちが自転車でわが家の近くを通っていく。おそらく研修名目で働いているのだろうが、知らないうちに、しかし確実に彼女たちが我々の隣人化しているのだ。そろそろ中国語でも始めますかな。
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