平成21年7月30日

 18日から25日までの間、職員の有志と一緒にポートランド、サンフランシスコ、サンノゼに行ってきた。夏休みを兼ねた旅行とは言え、LRTや鉄道、バスなど公共交通に乗り続けるという視察旅行である。ポートランドでは昨年の12月に富山を訪ねてくれたポートランド市を含む広域行政体であるメトロの議長に再開することができ、かつ当地の公共交通システムについてかなり詳細にレクチャーを受けることができた。なんと言っても中心商店街では市内電車が無料で乗り放題という仕組みに圧倒された。かねてより聞いてはいたものの、実際に何度も乗車してみるとその便利さを実感する。街並みも美しく、いくつかの広場で様々なイベントがなされている。コンパクトで活気のある街である。素晴らしい街だと思う。
 郊外から中心部に出てくる電車は当然ながら有料である。しかしその同じ市電が中心部の一定のゾーンの中に限り乗り降り自由となっているのだ。結果的に郊外から中心商店街に人を呼び込むこととなり、中心部に賑わいが生まれているのだ。この無料化の実施のために行政と交通事業者と経済界が一緒になり費用負担を担っている。まさに官と民とが一体となり市民生活の質を上げ、同時に経済をも活性化させているのである。学ぶものは大きい。
 サンフランシスコでは公共交通の3日間乗り放題券を買って市電やケーブルカー、バスなどが複合的に走る街の便利さを実感した。また、サンノゼまでは鉄道で移動し、無料のコミュニティーバスにも乗ることができた。
 あらためて公共交通を軸としたコンパクトな街を作ることの意義を確信することができた。車も公共交通も使うという暮らし方を目指すということだ。今までの富山市の取り組みをぶれることなく着実に進めていかなければならない。

 さて、ポートランドの空港で嬉しい出来事があった。空港内のレストランで出発を待ちながら軽く飲食をしたのだが、やがてひとりのウェイターが笑顔で近づいてきて、「君らは素晴らしい友達がいるね。君らの飲食代は先ほど店を出た人が済まして行ったよ。ラッキーだねぇ。」などと告げてくれたのだ。僕らは全員、何が起きたのか分からずにいた。しかし確認をしても間違いはなく、見ず知らずの白人の男性が僕らにご馳走してくれたのであった。それも僕らには何も言わないで。僕らの誰一人、その人と話していないにもかかわらず、黙ってご馳走してもらったのである。確かにラッキーではあるが、釈然としない。
 隣にいた白人女性が「羨ましいなぁ。」などと言いながら、その人は日本語ができる人で僕らの話を聞いていて思うところがあったのではないのかと推理してくれた。なるほどそういうことか。僕らは並んだ二つのテーブルを使っていたのだが、僕らのテーブルはあまり褒められるような話をしていなかった。さすれば、もうひとつのテーブルのみんなの会話はどうだったのか。
 彼らはさすがに交通政策や街づくりの担当職員らしく、ポートランドの交通システムの素晴らしさや説明を受けた職員の対応などを褒めちぎっていたらしい。もちろん生粋の富山弁を使って。
 おそらく彼女の推理どおり、富山弁の会話を理解するほどに日本語の上手な白人男性が偶然に隣のテーブルにいて、その会話の内容を嬉しく受け止めてくれ、ご馳走してくれたということなのだろう。ありがたい話しだ。
 それにしても僕が彼の立場なら、会話を一緒にしたうえで、これ見よがしに支払いをしたに違いない。黙って払うというのは凄いなあ。こういうのをお洒落とかスマートとか、男のダンディズムとかいうのだろうなぁ。真似ができない。人生なんでも勉強だと思わされた。僕ができる程度と言ったら、酒場での帰り際、知り合いのためにそっとビールなどを注文することくらいか。似て非なるとはこのような違いを言うのだが。
 いつかどこかで富山市の取り組みを評価してくれる外国人の会話を耳にしたら、お返しの意味もこめて真似してみますかな。へへへ。(その前に方言まで聞き取れる語学力のないことが問題だなあ。)

 

平成21年7月13日

 政府や自民党のここに来てのオタオタ振りにはあきれてしまう。昨日の東京都議会議員選挙の結果を見ても、マスコミも世論も政権交代を望んでいることがうかがえる。今後何が起きようが流れは変わるまい。おそらく解散・総選挙ということになれば自民党の議席減は避けて通れないと僕も思う。だからと言って、なりふり構わず選挙対策に乗り出すのは如何なものかと思う。仮に選挙に負けるとしても名誉ある敗戦でなければならない。安全保障や外交、社会保障、年金、医療、税制など重要課題に対して方針を明確に示し、民主党の掲げる政策との違いを国民に示して選挙に臨めばよいのだ。人気者を呼び込んだり、耳障りの良い奇策を打ち出したり、ポピュリズムに流されたりすることなく、正々堂々と政策政党の姿を示して戦うべきだと思う。闇討ちや反則技に頼らず、横綱相撲で負ければよいのだ。政権政党の矜持をなくしてはならない。それでこそ再浮上しうるのだし、再評価を得られる状況につながるのではなかろうか。腐っても鯛のたとえもある。頑張って欲しい。

 ところで、昨日は楽しい一日であった。友人にヨットを2隻出してもらい、僕らのプレジャーボートと一緒に海に出てきた。総勢15名ほどでウェークボードに挑戦するは、大きなタイヤ状のチューブに人を乗せてボートで引っ張る海のロデオのような遊びに挑むはという、齢を恐れぬ振る舞いであった。初めてヨットに乗ったという者も多くいて、感動の声があがっていた。8月にもう一度やろうということになったが今から楽しみである。富山もヨットをはじめとするマリンレジャーがもっと広がるようにすべきだと思う。富山湾の海岸はほとんどすべてが人口海岸であり、どうしてもテトラポットが並ぶ景観をイメージしてしまうが、沖に出ると富山湾の素晴らしさを実感することができる。山もいいが海もまた良し。恵まれたところに住んでいることを感謝しなければならない。梅雨が明ければ夏本番。海に山にと忙しい夏になりそう。そのうえ選挙も有りそうだしね。大丈夫かな?
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