平成21年12月28日

 いよいよ押し詰まってきた。今日が今年の御用納め。あいも変わらずバタバタしながら時間が過ぎていく。あっという間の一年だったなあ。選挙があったし、カナリア諸島でのOECDの会議に参加というビッグイベントもあった。つい数日前には三年前から進めてきた市内電車の環状線の運行開始というめでたいこともあった。順調な一年だったと思う。多くの人の力添えのおかげである。ありがたいことだと思う。感謝に耐えない。

 閑話休題

 先日、めったに目を通さない週刊誌を手にしたところ富山県の「住みよさがすごい田舎 富山県」というパブリシティー広告が目にとまった。柴田理恵が、「富山県は田舎のイメージがあるけどいろいろな面で全国トップクラスの水準があるので田舎と言ってもすごいのよ。」と語っている内容である。それ自体はいかにもありがちなアイロニーな体裁で、なるほどねー、といったところ。
「持ち家率も就業率も全国トップクラス。保育所の入所待ちはなんとゼロ!小学生の学童保育も充実していて、子育てと仕事が両立しやすい環境なのよ」
持ち家率が高いことが全国の都会人に魅力的なことと映るのかどうかとという気がしないでもないが、まあ、ここまではいいだろう。
 しかし次に続く表現に如何なものかと思った次第。なんと「国立大学の進学率だって全国トップレベル。」と続くのである。なぜ国立大学なのか。どうして国立大学の進学率が高いことがすごいことなのか。明治以来、富山県内に底流のように流れてきた官立志向、官尊民卑の思想そのものじゃないか。国立大学のほうが私立大学より優れているという富山県教育委員会の発想そのものじゃないか。それは同時に県立高校のほうが私立高校より望ましいと言っていることになる。私立学校のもつそれぞれの建学の精神や校風の意味を評価することを否定し、東大至上主義にも通じる時代遅れの思想が県が行う広報活動にまで表れているということだ。こんなことじゃ自由な発想や大胆な行政運営は望むべくもない。文字通りすごい田舎の発想じゃないか。
 百歩譲って、せめて大学進学率がと言えないのかと県の担当課に聞いたところ、「私立を含めた大学進学率だとトップレベルとは言えないので…。」という回答であった。そこでわざわざ国立大学の進学率のレベル分析を県が調査して出したのだとも言っていた。そんなことまでしてトップレベルだと自慢することに何の意味があるのだろう。年の瀬にふさわしい笑い話である。全国の人が笑っているに違いない。
 ところで柴田理恵さんは明治大学だったっけ?県の担当者もよく柴田さんに依頼したもんだ。いやいや柴田さんが僕より寛容なお人柄だというべきか。明るい笑顔が印象的な広告となっている。めでたし。めでたし。

平成21年12月11日

 十二月議会も今日が一般質問の最終日。議会全体では折り返し点といったところか。今日までの質問においては、この4月に初当選した新人議員の質問もあり興味を持って臨めた。最終日まで頑張らなくては。
 さて、数日前、本会議場の傍聴席に十人くらいの小学生が先生と思しき人に引率されて傍聴に来ていた。なるほど、小学生の社会学習として市議会を傍聴するのも良いことだと思う。ところが彼らは全員、マスクをして議場に入ってきたのである。学校の判断で校外活動の時にはマスクを着用することとしているからに違いあるまい。そうは申せ、議会の傍聴席の一角にマスクを着用した集団が座っている光景はいささか異様にうつった。
 「おーい!気をつけろよ。絶対にマスクをはずしちゃだめだぞ。この議場の中は悪性のウィルスで満ち満ちているのだからなー。油断するなよ。」などと先生が生徒たちに向かって叫んでいるように見えたのである。確かに僕らは汚れているのかもしれない。純粋無垢な存在であるはずがないか。何かがあったら大変だ。マスクをつけなきゃ。マスクをつけなきゃ。分かるけども…、ちょっとやりすぎじゃない。と、僕は思ったのだが…。やっぱり汚れた存在か?
 やがて一人目の議員の質問が終わると、こんなところに長居は無用だと言わんばかりに彼らは去っていったのであった。
 そのうちに当局も議員席も傍聴席もマスクで埋め尽くされるマスク議会になったりしてね。

 ところで、僕は傍聴席に知った人がいても挨拶をしたり合図を送ったりしないこととしている。議場の中は当局側と議会側との重要な議論の場である。その議論を公開された場所で行うために傍聴がなされているのだ。したがって空間としての議場と傍聴席との間には超えてはいけない、見えない壁がなきゃいけないと思うからである。いたずらに傍聴席に向かってアピールしたり、大向こう受けを狙うかのように傍聴者に顔を向けて演説したりしては駄目だと思うのだ。議論をするのは当局と議会なのである。当事者はその二者なのである。もとより傍聴席から議場に話しかけたりシュプレヒコールを叫ぶなどということは絶対にあってはならない。
 そんな考えで僕は傍聴席との間に距離を置いているのだ。ときどき知人や親戚、近所の人などが傍聴していることを知ってはいるのだが、いつも僕が愛想の悪い態度を取り、冷たくしているように見えるのはそういう理由によるものなのである。
 まあ、開会が議長から宣されるまではもっと柔軟でも良いのかも知れないけれどね…。難しいところである。
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