平成23年4月10日

 今朝の地元紙で小学校の頃の同級生が亡くなったことを知って驚いた。小さいときから大きく力強い身体の持ち主だった。死因の記載が無かったのでいきさつが分からないが、病んでいたのだろうか…。冥福を祈りたい。歩いても15分くらいの距離に住みながら、交流が途絶えて久しい。何となく申し訳ない思いである。
 小学生の頃に彼は鳩をたくさん飼っていた。彼の鳩小屋を訪ねては物欲しそうにしていたのだろうか、突然僕につがいの鳩を譲ってくれ、鳩小屋まで作ってくれた。毎日餌をやったり鳩小屋の掃除をしたりしたて大切にしていたのだが、外で放すとどうしても彼の鳩小屋に帰ってしまう。そのたびに自転車に乗って彼の家まで鳩を連れ戻しに行っていた。懐かしい思い出だ。
 考えてみると、ここ数年、毎年1人か2人の同級生が亡くなっている。寂しいことだけれども、そういう年齢なのだろうか。他人事だと思わずに身体を気づかわなくてはならないと思う。

 ニュージーランドの地震で富山外国語専門学校の学生が何人も亡くなった。東日本大震災においては1万2千人以上の人が亡くなり、1万5千人近い人が行方不明である。建物の全半壊は5万棟を超え、避難生活を余儀なくされている人は15万人以上に上っている。国力を結集したとしても復興には何年もかかるに違いない。この1ヵ月間というもの、いきおい込んで支援・救援活動にあたったパワーはすごいものだと思う。しかし、この取り組みはこれから何年も続いていくのである。これから先、一人ひとりがその時点で何ができるのかを誠実に考えていくことが重要だと思う。長期戦を覚悟したうえで、地に足をつけた対応が求められているということだ。被災者の窮状を思えばみんなが現地入りしたい気持ちになることは当然である。しかし被災地以外の地域において通常どおりに経済活動が持続されること、いや通常以上の経済活動が展開されるように取り組むことが大切なのだと思う。そのことが復興のための財源を生むことに直結するからである。一人ひとりが自分にできることをキチンとこなすこと。遠回りに見えても、そのことが着実な取り組みなのだと思う。9・11テロの時にニューヨークのジュリアーニ市長が言った言葉のとおりだと思う。『普段どおりの生活をしても、死者を悼むのを止めたことにはならない。犠牲を無駄にしないため我々がまずできることは、普段の生活を取り戻すことだ。』
 津波にのまれて生を終えてしまった人々の無念を思うと心が痛む。だからと言って自虐的に自らを責めても何も生まれない。亡くなった人の無念を思えばこそ、しっかりと生きていくことを考えよう。一人ひとりが自らの役割を果たすことだ。安易さに流されず、怠け心を排して、黙って働いていこう。
 そのためにも身体をいとわなくてはなるまい。生活を律して健康体を目指さなくてはならない。しっかりと自己管理をすること、そのことこそが生を終えていった人たちに対する誠実な姿勢だと思う。身を慎むべしということ。


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