6月13日に開催されたOECD本部でのシンポジュームに参加できたことは大変に有意義なことであった。ここ数年間取り組んできた、「公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり」というビジョンが人口減少、超高齢化の波にさらされていく世界の多くの都市にとって一つのモデルであるとの評価を受けることができた。ありがたいことだ。しかし、1泊3日のパリ行きは過激だったかもしれない。ANAのCAの皆さんからは彼女達よりもパリの滞在時間が短いと面白がられたし、会議で同席した各国の皆さんからも驚きの声があった。もっともパリの場合、0泊2日という出張が可能だということも確認できた。ある意味では収穫があったということだ。
この出張の際に、ANAの特別なご配慮で成田空港のANAのファーストクラスのラウンジに入れてもらうことができた。なにせファーストクラスと言えば、昔、何かの間違いでシンガポール航空で一度だけ乗ったことがあるくらいで、およそ縁のない世界である。ラウンジとは言え、おそるおそる足を踏み入れた次第。さすがにゆったりとした造りで落ち着ける空間であった。しかしそのラウンジの利用者に若者がたくさんいることに驚いてしまった。こっちは初めて足を踏み入れたファーストクラスのラウンジに浮ついてさえいるのに、あたり前の顔をして寛ぐ若者たちに違和感を禁じえなかった。もちろん若くても裕福な層の人はいるだろう。しかしみんながみんなそういう富裕層だとは思えない。おそらく社用でファーストを利用しているか、海外出張などで溜まったマイレージを使用しているのだと思う。それでもあんな若者がねぇ、という違和感はぬぐえない。伊集院 静の「大人の流儀」の一節を思い出していた。(続 大人の流儀 だったかな) 伊集院氏は、鮨屋に子どもを連れてくるなと言う。社会には大人だけが座れる席があると言うのだ。金の有り無し以前の問題だとする。この国のために懸命に働いている大人が座る場所がある。女、子どもが居てはならぬ場所がいくらでもあるんだ、と言うのである。若者はグリーン席ではなく自由席に乗ればいいんだ、と言っている。伊集院 静さんが言っているのであって僕が言っているわけじゃないですよ。でもまあ、考えさせられてしまいました。とさ。
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