平成26年2月22日

 ㈱山と渓谷社から良い本を送ってもらった。岡田喜秋 著「定本 日本の秘境」という文庫本である。内容はおもに昭和30年代前半頃の著者の旅の記録である。もともとは昭和35年に箱入りの上製本として刊行されていたものだ。僕は30年くらい前に図書館でこの本を見たことがある。見たことがあるという表現が正しいと思う。つまり読んだとは言えないということ。「日本の秘境」というタイトルに惹かれて手にしたものの、当時の僕にとって面白いとは感じられずそのまま返却した記憶しかない。
 ところが今回新しい文庫本を読んでみて「秘境」の様子が最近の山小屋や温泉地の状況とあまりに違うことに驚いてしまった。終戦後10数年という時代、日本中が少しづつ活気が出てきた時代、それでも地方に行けば昭和初期と変わらない暮らしぶりだった時代。そんな時代に蒸気機関車が引っ張る鉄道とバスを乗り継ぎ、最後は自分の足で歩いてたどり着く「秘境」なのである。僕らの旅とは全然違う、俗化されていない旅なのである。さすがに西行の旅だとは言えないものの、柳田国男や宮本常一の旅なのである。そんな時代の「秘境」が魅力的でいっきに読みきってしまった。
 全部で18カ所の「秘境」が綴られているが、僕が行ったことがあるところは酸ヶ湯だけ。それでも途中で三俣蓮華の伊藤正一さんが登場するくだりがあり、親近感を感じた。今まで襟裳岬や佐多岬、野付岬や隠岐などといったところに行く機会はさすがになかった。はたして今も「秘境」なのだろうか、そんなことを考えていたら無性に「秘境」に行きたくなってしまった。急に民俗学に惹かれてしまったのかも知れない。この本のいう「秘境」巡りをしたくなってしまった。50歳代をかけてフェルメールを訪ねる旅をしてきた。何となくその気になってきたので、60歳代をかけてこの本の「秘境」を巡る旅をしようと思う。おそらく既に決して「秘境」ではなくなっているに違いない。それでもこの本を携えながら、観光地化、俗化してしまった「秘境」を感じるのも悪くないと感じている。もっとも僕の旅は飛行機とレンタカーやタクシーを使うことになるのだけれども…。はたしてどうなることやら?

平成26年2月8日

 今日は予備日のようなもの。元気になってはいるもののあえて何の予定もいれずのんびりと過ごすことにした。久しぶりに2人の娘たちとゆっくり話す時間を持とうと思う。

さて、無聊をかこつあまりの駄作ですが初歌を披露。歌の作法も制約も何の知識も持ち合わせていないので滅茶苦茶なものですが初挑戦です。

病んでこそ 彼のなき隙の 耐えがたし ともに励まし 経てきた日々よ

気をそらし 思いをかすめて 過ごしきて 病みが覚ますか 我ひとり

 陳腐なものですが、自分としては今の心境を再確認する作業となりました。発句するとか作歌するとか詩を詠むとかと言う作業の意味にチョットだけ触れた気がします。内心の整理なのだと。そう考えると詩人の感性がうらやましい。無いものねだりだけどね。
 

平成26年2月7日

 今朝からまったく快調そのもの。平熱のうえにせきも出ない。食欲も旺盛。気力充実。完治したとみてよかろう。スーツに着替えて仕事に出たいところだが我慢するしかないのが辛い。相談したいことがあるので訪ねてきたいという電話があったが、それも断った。他人に感染する可能性のある間は閉門蟄居に処せられたようなもの。静かにして役所から届けられた書類に目を通すのみ。
 目を閉じていると時計の秒針が刻む音が耳につく。急に子どもの頃に風邪で学校を休んで家で寝ていた時のことを思いだす。誰もいない家の中で一人で布団に寝ながら時計の音だけが耳に響いてきて寂しかった記憶だ。時計の音は容赦が無い。確実に時の経過を刻む。自分だけが無為に過ごしているようで不安にさせる。早く学校に行きたいと泣きそうになりながら思っていた記憶が甦ってきた。病むということは童心を思い出させるという一面もあるということか。老いて童子に還るが如く、か。午後からは着替えて家中の大掃除といきますかな。

平成26年2月6日

 今朝からは平熱が続いている。いよいよ回復に向かうのだろう。
 さて、病院で聞いていた情報より長く高熱が続いた訳が先ほど判明して笑ってしまった。何種類もの薬が処方されているうえに、それぞれの薬が一回一錠のものや一回二錠のものや、朝昼夕食後に服用とされているものや、朝夕食後のみのものなどが混在していていることに注意を要していたのだが、そのうちの解熱剤の服用を誤っていたことが先ほど判明した次第。高熱時に一回二錠を一日2回まで服用と書かれていたところを何を勘違いしたのか一回一錠、一日2回と勝手に思い込んでいたのだ。そのことだけが回復の遅れを招いたわけではないとは思うものの、薬を正しく服用することの大切さを実感した。ここ数日は隔離状態で、一人暮らしのように過ごしていただけに独居老人に対する投薬指導の重要さを思わされた。訪問看護、訪問介護、投薬指導などの地域ケア体制作りの取り組みを思わされた。
 元気になったものだから、朝から何度も秘書課に電話をしてあれこれと指示出しをしていた。せっかくの機会だからみんなが少しでものんびり仕事をしてくれたら良いとは思うものの、何かに気付いたりアイデアが浮かんだりするとじっとしていられないところが僕の短所である。富山弁で言う、ヤチヤチという性格だ。困った性格だと自分でも思う。猛省。猛省。


平成26年2月5日

 闘病日記の3日目。昨夜は7時半ごろに床につき今朝5時過ぎに目覚めました。薬のせいだろうけど、こんなに長い時間ぐっすりと眠ったのはいつ以来だろうか。おかげでスッキリとした気分で目覚めました。勢い込んで検温すると、それでも38.3度。とほほ…、という感じでした。介護のときなどに使う直ぐにも破れそうな薄い手袋をつけて自分の朝食の準備だけをして、娘の分は娘にさせるという気の使いよう。今日の話はここからが面白い。軽い朝食をとった後、所在無くベッドで横になっていたらまた眠ってしまったのだろう。気がついたら外は明るく、時計は9時を指していた。てっきり朝の九時まで寝坊したものと思って娘の部屋に向かって「大変だ!大寝坊してしまった!」と叫んでいた。つい2時間ほど前に朝食をとっていたにもかかわらず、である。はたして、痴呆の始まりなのか?あるいは昨日から服用しているタミフルの幻覚作用なのだろうか?いやいや難しく考えることはない。こういうのを寝ぼけと言うのだから。
 軽い昼食をとった後に検温すると37度にまで下がっていた。よし、これで回復に向かうぞ!と思っていたのだがパソコン向かいながらのこの瞬間にもう一度測ってみると…、37.4度。簡単ではないなあ。体温が平熱になってからも二日間は他人と接触しないようにと言われているのは公衆衛生上当然であろう。インフルエンザ、侮るべからず。行動の制約があまりにも大きい。毎年、ちゃんと予防接種は受けているのだけれどもなあ。やっぱり老化ということだ。

平成26年2月4日

 今朝8時過ぎに市民病院で検査した結果、インフルエンザA型でした。金曜日いっぱい自宅に隔離です。多くの皆さんに迷惑をかけました。申し訳ありません。かくなるうえは読書三昧としましょうか。それにしても39度以上の熱は辛いものがあります。薬を欠かさず服用して早く治さなくちゃ。

平成26年2月3日

 今日は風邪で仕事を休んでしまいました。予定をキャンセルしていろんな方に迷惑をかけてしまい反省しています。昨日、ある議員の後援会の行事に出ていたときは元気だったのですが、その行事から帰る車の中で何度も咳き込んでしまいました。早めにやすんだほうが良かろうと思い、9時頃に睡眠導入剤をのんで寝ました。4時半頃に目覚めると熱っぽかったので検温すると、38.9度でした。朝1番に市民病院にいきましたが、発熱してからの経過時間が短いのでインフルエンザの検査をしても正確な結果が出ない可能性があると言われ、明日の朝まで経過観察ということになりました。誰かにうつしてしまうかもしれないので午前中から大人しく寝ています。
 毎年、今頃の季節に風邪を引きます。もう老体なので酒を飲んで治すということはできません。予算編成作業がある上に新年会が続くので疲れているのでしょう。
 もっとも、風邪をひいたかな?と思ったときに風邪をひくのだという話を読んだ記憶があるから、気の緩みなのでしょう。しっかり反省です。
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