いよいよ4月に入った。新年度の始まりだ。いつも言ってることだが4月に年度が変わるのはある意味では良いことだと思う。正月から3ヵ月経過したところでもう一度気持ちをリセット出来るからである。ここ数日、さあ、やるぞ!という気持ちが漲っている。頑張ろう。
閑話休題
昨日読んだ本で意外な事実を知らされた。多くの日本人が子供の頃に読んだ童話「フランダースの犬」は、物語の舞台であるベルギーでは決して知名度が高くないのだそうだ。そもそも作品の評価自体があまり高くないらしい。少年ネロと愛犬パトラッシュを主人公とした悲運の物語は、わが国ではアニメにもなっていて、結構な人気だったと記憶している。ベルギー国内の「フランダースの犬」にまつわる場所は観光地になっているものの、訪れるのは日本人観光客ばかりとのこと。この作品はベルギーだけでなく、欧米全体でも評価が低いらしいが日本では大人気。面白い現象だと思う。 2007年に、あるベルギー人映画監督がこの評価の違いを検証すべくドキュメンタリー映画を製作したそうだ。つまり、あまり評価の高くない作品が何故に日本で人気があるのかを探ろうとしたということ。その結果分かってきたことが日本人の「滅びの美学」ということだった。 ラストシーンでネロとパトラッシュが死んでいくのだが、日本では感動の名シーンと受け止められているのに対して、欧米では「負け犬の死」として受け止められているらしい。このドキュメンタリーの分析によれば、「日本人は、信義や友情のために敗北や挫折を受け入れることに、ある種の崇高さを見いだす。ネロの死に方は、まさに日本人の価値観を体現するもの」だということになる。なんとなく納得できる分析である。 ついでに面白い余談も知った。「フランダースの犬」が最初に日本で翻訳されたのは1908年とのこと。当時は西洋風の名前に親しみが薄かったことから登場人物の名前が変えられていた。その名前は、ネロが清(キヨシ)、パトラッシュが斑(ブチ)というものであったとのこと。うーむ、なんとも…。
|