ニューヨークの国連気候温暖化サミットの関連会議に参加することができた。エネルギー効率改善都市の一つとして、国連の事務総長名義で招待を受けたことは大変に名誉なことであった。おかげさまで国連本部の中に入ることができ、総会が行われる会場に入ることもできた。2度とありえない経験ができたことを嬉しく思う。 2日間にわたって行われたSE4ALLという会議に出席したが、日本語の同時通訳が無いので苦労した。国連のオフィシャル言語は英語、フランス語、ロシア語、スペイン語、中国語、アラビア語の6か国語だけなのだ。いささかでも分かるのは英語だけなので、頭の中を英語モードにすべく苦しいくらいに努力しながら何とか乗り切ることができた。いろいろな国の人と交流することで、少しだけ英会話能力がアップしたと思う。時差ボケに加えて、英語漬けの疲労もあって今朝までボーッとしていたのだろうなあ。若いときにもっと英語力を磨いておくべきだったと反省している。 さて、23日のオープニング゛・セレモニーではアル・ゴア元副大統領や俳優のディカプリオさんのスピーチを聞いたのだが、最後に登場したマーシャル諸島共和国からのキャシー・ジェニトル・キジナーという若い女性のスピーチに感動させられた。いや、大感動であった。ディカプリオのスピーチにも大拍手が出たが、彼女の詩の朗読に対しては会場のすべての人がスタンディング・オベーションで感動を表していた。僕も涙が出そうになるのを必死に堪えていた。 彼女は自分の息子に宛てた手紙の形式をとりながら、マーシャル諸島、ツバル、キリバス、モルディブなどの海面上昇、フィリピンなどの巨大台風、パキスタンなどの洪水を例にあげて危機の到来を訴え、同時に人間社会の無関心を憂うる詩を滔々と、感動的に謳いあげた。原稿なしで、身振りをまじえながら抑揚をつけて訴え続ける彼女の姿に本当に感動した。おそらくまだ20代だと思う彼女の、堂々とした態度に感服させられた。世の中に人物はいるものだと思わさせられた。 ところが、その数時間後、昼食の会場で偶然にその女性に遭遇することができた。僕から声をかけてしばらく話すことができた。彼女の夫と赤ちゃんと一緒に写真におさまった。かわいい赤ちゃんだった。こんなにかわいい赤ちゃんの将来に島国の水没が危惧されているのである。僕らの世代の責任を自覚しなければならない。 色んな人といろいろな話ができた充実したニューヨーク滞在だった。おかげで今朝から時差ボケも解消できた感じがする。頑張らなくては!!
|