平成26年11月20日

 原田マハの「ジヴェルニーの食卓」という短編集で次の言葉を知った。
 
 もしもマティスが死んでしまったら、ほかの誰にも話せないことを胸の中にため込んでしまうことになる。なんといっても、私には、マティスしかいないんだ。
                       ーーーパプロ・ピカソ

 大切な友を亡くして以来、僕の胸の中にいろいろなことがため込まれてしまっているのはこういうことだったのかと気付かされた。友を惜しむ。

平成26年11月12日

 沖縄で宿泊したホテルの隣りに男性も利用できるエステがあり、「アカスリ・オイルマッサージ」の文字にひかれてこっそり?入ってみた。数年前まではソウルでしばしばアカスリをしていたのだが、李明博前大統領が竹島に上陸したうえに昭和天皇の戦争責任などと口にしたことが許せず、ソウルには金輪際行かないこととしているのでアカスリをしたくても機会が無いまま数年が過ぎてしまった。富山ではサウナに行き難いため(のんびりしたいと思っても色んな人から話しかけられて閉口したことがある。)旅先でしかこういう機会がない。そう言っても、スケジュールがタイトなのでアカスリをする時間はなかなか取れず、本当に久しぶりのことであった。
 それ用のトランクスだけを着用して若い女性にアカスリをしてもらったのだが、おそらく大量の垢が出ていたに違いない。そのうちにあることに気づいて一人で笑いごちた。その時の僕の姿は、見ようによっては老人介護施設などで入浴サービスを受けている高齢者そのものじゃないか。自分で自分のからだをうまく洗うことができず、若いお嬢さんに体を洗ってもらっているのだからなあ…。将来の自分の姿を見るようで面白かった。やがて来るその時には、唯一身を覆っているトランクスもないまま、皺びた身体をさらして、ひょっとしたらよだれを垂らしながら、随喜の表情を浮かべて若いお嬢さんに身をまかせているのかも知れない。情けないけれどいつか行く道か…。 

平成26年11月11日

 富山県南方戦没者沖縄慰霊塔「立山の塔」慰霊祭のために沖縄に来ている。沖縄は知事選挙の真っ最中である。特に那覇は選挙一色と言っても良い。市長が知事選に出たために市長選も行われ、そのうえに市議会議員と県議会議員の補欠選挙が実施されているのだから、4つの選挙の運動が同時展開ということで賑やかなことこのうえない。自分も選挙をしてきた身だから周りの迷惑もかえりみず街頭演説などをやってきたけれど、この地よりももう少し静かだったと思うのだが…。
 さて、沖縄の選挙で驚かされたことがある。それは法定外のポスターや看板の掲出がめったやたらに多いということだ。どう考えても公職選挙法違反の看板などがあちこちに、それも堂々と、いや威張り散らすかのように候補者の写真や名前を出して掲出されている。そのうえに確認団体とは思えないような街宣車がやたらと走り回っている。何のために公営ポスター掲示版があるのかわからない。とにかく街中が4つの選挙の違法ポスターなどで溢れているのである。恐るべし沖縄!と思って朝刊を見ていたら、小さな記事で次のようなものを見つけた。「16日投開票の知事選で違法に設置されたポスター、のぼり、横断幕などが計4103件に上るとして、県選挙管理委員会は7日、選対事務所や政党などに撤去を命令する文書を発送した。」というもの。僕の見た感じじゃそんな数では収まらないと思う。そのうえにほかの3つの選挙もあるのだからなあ…。
いろいろな意味で本土とは違うということか。選挙終了後にどんな摘発があるのかと興味がわいてくる。そのうえで来月に衆議院の解散があるとしたら、もう、わやわやでしょうね。

平成26年11月2日

 昨夜の夕食後、本を読みながら少しアルコールを!と思って物色したものの、わが家には焼酎もウイスキーも切れていることが判明。しかたなくワインを少しと冷酒を飲む。僕は基本的に冷酒を飲まないことにしているのであまり調子が出なかった。中途半端なアルコール量のままの読書のせいで夜更かしのうえに早起きをしてしまった。その上に明け方に不意を突かれたような夢を見る。やっぱり適量のアルコールが必要ということなのだなあ。
 今朝コンビニまで牛乳を買いに行った際に昨夜のことを思い出し、焼酎とウイスキーをそれぞれ一本づつ買う。いくらなんでも早朝からアルコールを買うのは如何なものだろうと思いながら、小さくなって支払いをしていると、少年野球に出かけるのであろうか、ユニフォーム姿の少年とその母親と思しき女性が入店してきて顔をしかめるかのように僕の手元を見ていることに気付いた。朝から酒を買っている大人は軽蔑されて当然だよね。ただただ恥じ入るばかり。
 そのことを思い出しながら、それでも平気な顔で焼酎のお湯割りを手にして本稿を書いているのだが…。


 さて、昨日のイベントで、作家の林真理子さんと精神科医の和田秀樹さんとの3人でトークショーをやった。開始前の打ち合わせの際に、和田さんから、細かな打ち合わせをすると本番の発言の鮮度が落ちるのでやめようとの提案があった。まったくそのとおり。いつも行き当たりばったりで対応している僕としては、我が意を得たりといったところ。コーディネーターの方の不安をよそに三人で雑談に興じる。おかげで本番は面白い鼎談となった。
 そもそも挨拶や演説は一回、一回が本番なのだ。なるべく、毎回同じエピソードやデータを繰り返すような挨拶を重ねたくない。挨拶を聞く側としたら同じ内容の長い挨拶など何度も聞きたくはない。僕が意識していることは、基本的なコンテンツは同じでも言い回しや語調を変えることが基本だということ。聴衆の空気や反応を見ながら微妙に話す言葉を変えていくことが肝要だと思う。鮮度が大切なのだと思う。何度も何度もまったく同じような話を聞かされることほど退屈なことはないのだから。難しいことではあっても、なるべく自らに恥ずかしくない挨拶や演説をしていたいものだ。鮮度、鮮度。鮮度が一番。もっともそんなことを思っている僕自身の賞味期限が切れているか!!
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