先週、日本財団の笹川会長の講演を聞く機会を得た。ハンセン病の制圧のために世界を飛び回って取り組んでおられることはメール配信などで知ってはいたものの詳しい背景や現状を知ることが出来て良かったと思う。何よりも会長のハンセン病制圧にかける熱い思いに心を動かされた。いただいたご著書を早速に読みたいと思う。その講演の資料の中に長く忘れていた歌人の名前を見つけた。明石海人という歌人である。以前にこの人の歌集に触れて感動したことを思い出し、書架をひっくり返して探したのだが見つからない。誰かに貸したのかも知れないと気付いてもう一度買い求めた。ゆっくりと読み直してみたいと思う。この人は25歳の時にハンセン病と診断され、闘病生活の中で俳句や短歌などに創作意欲を燃やし、闘病むなしく37歳で亡くなっている。しかしその短い作歌活動の中で秀逸な短歌を残しているのである。絶望的な病との闘い、家族への思い、隔絶された施設での生活、死への恐怖、諦観、自然を見つめる姿勢などを詠んだ短歌で溢れている歌集である。お薦めします。
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