やっと選挙が終わったので書き込みを再開。 3月からずっとこのコーナーで紹介したいと思い続けていたエピソードがある。ちょっと長くなりそうだけど披露してみたい。 3月27日に行われた三重県の高校野球の大会で0対91というスコアで終わった試合があった。過去に例のないような大敗でありながら、敗れた私立英心高校の監督はツイッターで「選手はダメじゃない」と胸を張った。 この英心高校は、もともと不登校の子供を多く受け入れる学校である。そこに赴任した野球経験のある豊田監督が2015年に野球部を創設した。男子5人、マネージャーの女子1人から始まった。やがて部員が10人まで増え、日本高等学校野球連盟(高野連)への登録申請が通り対外試合をやるようになった。それから1年半後の試合が今回のものであった。 「今までは、ピッチャーがストライクを取れず四球が続く試合ばかりだった。相手チームは20〜30点も差がつくと試合を終わらせようとしてわざとアウトになるんです。でも今回の対戦相手である県立宇治山田商業高校は県屈指の強豪ですが、フルメンバーで最後の最後まで攻撃の手を緩めなかった。うちのピッチャーもストライクを入れられるようになった。初めてチームとして認められたという感覚だった。」「30点取られても、1点づつ取り替えそうと言い続け、誰も諦めなかった。」と豊田監督は述べた。翌日の練習には部員全員が参加したという。 監督は次のようにも話している。「不登校だった子が、ただ学校に来るようになるだけではダメだと思っています。私は野球を通じて心がしっかりと育ってほしい。自分の将来に前向きになり、人間性が形成されていってほしい。」と。そういう考えの指導者のもとで厳しい練習に打込むことこそが高校野球というものだろう。試合を終わらせようとワザとアウトになったチームとの違いは大きい。 そう言えば、以前に21世紀枠の高校に負けて「末代までの恥じ」と言って辞職したバカな監督がいたが、彼の眼にはこの英心高校チームのひたむきさがどう映るんだろうねぇ。
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