先月のある日、所用があり車で関西まで出掛けたのだが、その際に遭遇したエピソードを一つ披露したい。 昼食を摂ろうとして多賀サービスエリアにあるレストランに入った。やがて僕の隣のテーブルに70歳前後の夫婦と思しきカップルが座った。食事をしながらも自然に耳に入ってくる二人の会話から2人が夫婦ではなさそうだということがうかがえた。自分でも聞き耳を立てるのは悪趣味だと思ったのだが、耳をふさぐわけにもいかない。分かってきたことは、2人がドライブがてらデートをしているということであり、お互いが知り合ってからまだ日が浅いということなどであった。食べ物の好みや若い頃に見た映画の話などで盛り上がっていた。特に女性の方が積極的で盛んに話題提供をしていた。僕よりも年長だと思えるカップルを微笑ましく盗み見しながら、結構なことだと思っていた。幾つになっても恋心を失くしちゃダメだよね。それが老いらくの恋であっても。食事を終えた僕はレジに向かう際に気付かれないように二人の表情を一瞬見たのだが、嬉しそうに輝いて見えた。外に出ようとした際にそのレストランの奥の方にもっと年長に見える夫婦?がドット柄のペアルックでいるのが目に入り驚いてしまった。こういう時代なのだな。うかうかしていられないと思わされる一日であった。
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