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真夏のハッピー・バースデー
森 雅志 2002.09.05
今年も暑い夏であった。夜間までエアコンの冷気の中にいたのでは身体に悪かろうと思い、一夏中、エアコンの無い部屋で寝ていたが、汗みどろになりながらも何とか乗り切ることができた。夏バテするどころか逆に体重が増えた夏でもあった。
そしてこの夏、僕はとうとう満五十歳になった。八月十三日が僕の誕生日である。
この日は家族そろって旅先にあったが、夕食時にカミさんが「今日はお父さんの誕生日ョ。」と言ってくれたものの、娘たちは「アァ、そうやったけ」と言っただけであり、誰も僕の感慨に気付いてはくれなかった。せめて「何歳になったが?」とでも聞いて欲しかったのだが…。まぁ考えてみれば無理も無い。四十九歳の父も五十歳の父も十代の娘たちにして見れば同じようなものなのだろうから。もっとも娘に限らず世間から見ても何ということの無いことではあるのだが。
それでも僕の中では人生の一つの節目として、来し方、行く末に思いをする記念日だったのである。実態はともかく、年齢的には成熟した大人としての第二の成人式ではないのかとさえ思った。五十代に突入した以上は家族に対しても社会に対しても今まで以上にしっかりと責任を果たしていかなくてはならない。そして遅い足取りであっても着実に人間形成を図っていかなくてはならないのだ。(まるで元旦の誓いみたいになってきたが、正直にそう思ったのだからしょうがない。)
その夜、エアコンの効いたホテルの部屋のベッドに横になった僕は酔いも手伝いあっという間に熟睡していった。翌朝は久しぶりに空を飛ぶ夢を見た後で、本当に元気みなぎる思いで目が覚めた。
その朝以来ずっと、進行する白髪と老眼に負けるものかと思っている。そして、ここらでもう一つ新しいことにチャレンジしてみようと真剣に考えているのである。ただ今、元気充満中!。
そしてこの夏、僕はとうとう満五十歳になった。八月十三日が僕の誕生日である。
この日は家族そろって旅先にあったが、夕食時にカミさんが「今日はお父さんの誕生日ョ。」と言ってくれたものの、娘たちは「アァ、そうやったけ」と言っただけであり、誰も僕の感慨に気付いてはくれなかった。せめて「何歳になったが?」とでも聞いて欲しかったのだが…。まぁ考えてみれば無理も無い。四十九歳の父も五十歳の父も十代の娘たちにして見れば同じようなものなのだろうから。もっとも娘に限らず世間から見ても何ということの無いことではあるのだが。
それでも僕の中では人生の一つの節目として、来し方、行く末に思いをする記念日だったのである。実態はともかく、年齢的には成熟した大人としての第二の成人式ではないのかとさえ思った。五十代に突入した以上は家族に対しても社会に対しても今まで以上にしっかりと責任を果たしていかなくてはならない。そして遅い足取りであっても着実に人間形成を図っていかなくてはならないのだ。(まるで元旦の誓いみたいになってきたが、正直にそう思ったのだからしょうがない。)
その夜、エアコンの効いたホテルの部屋のベッドに横になった僕は酔いも手伝いあっという間に熟睡していった。翌朝は久しぶりに空を飛ぶ夢を見た後で、本当に元気みなぎる思いで目が覚めた。
その朝以来ずっと、進行する白髪と老眼に負けるものかと思っている。そして、ここらでもう一つ新しいことにチャレンジしてみようと真剣に考えているのである。ただ今、元気充満中!。