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ターミナルビル2

森 雅志 2005.03
 昨年の12月に羽田空港第2旅客ターミナルがオープンし、今までのビルはJALが、新しいビルはANAが使うこととなった。随分と大きな空港になったものだ。僕はANAを利用する機会が多いので,最近は第2ターミナルにばかりお世話になっている。
 モノレールも羽田空港第2ビル駅ができ、今までの羽田空港駅は第1ビル駅となった。ANA便を降りて都心に向かう場合には第2ビル駅が始発駅なので問題はないが、JAL便の利用客は二駅目なので座れない人が多いように思う。いつもシートに座りながら申し訳ないと感じてはいるが、座席を譲ったことはないのだから僕も横着なものだ。
 ところで、第2ターミナルの完成により航空機に直接乗降できる固定スポットが大幅増となった。便によっては空港内をバスで走って航空機まで行くことがありその乗降形式の不便さを強く感じていたが、新ターミナルの登場によって直接搭乗率が9割になったとのことなので、先の不便さはほぼ解消されたことになる。ところが逆に羽田に到着する便に関して言うと、僕の場合90パーセント以上の確率で空港内をバスで移動しての降機形式となっているのだ。この点に関しては、第2ターミナルが完成し空港全体が大きくなったことの恩恵を受けることができていない。もっとも駐機スポットにおいてブリッジ経由で直接降機できたとしても遠くのスポットの場合、大変な距離を歩かなきゃならないそうだから、どっちもどっちというところか。
その点、我が富山空港の場合は空港が小さいものの全ての便においてブリッジ経由の搭乗や降機となっているので有り難い。
 富山空港にはもう一つ大きな長所がある。それは滑走路に着陸した瞬間から飛行機を降りるまでの時間が大変短いということである。このターミナルと滑走路間の陸上誘導時間をタキシングタイムと言うそうだが、羽田のタキシングタイムが長いなあと感じるのは僕だけだろうか。
 他にも、ショップが少ないとかの問題も第2ビルにはあるものの、今までのビルと変わらず嬉しくなる場所もある。それはターミナルビルのど真ん中の階段の上に、郷土を代表する企業の大きな広告が掲示されている場所だ。疲れて羽田に着いた時でもこの広告を見ると元気が出てくるのだ。この広告に励まされながら、これからも折にふれての僕の東京通いが続いていくのである。