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信用乗車とは

森 雅志 2006.07.05
 4月に運行開始した富山ライトレールの次世代型路面電車ポートラムはお陰様で毎日多くのお客様にご利用いただいている。目標の2倍弱の利用客数となっており大変有り難いことだと受け止めている。ご利用頂いた多くの皆さんに心から感謝申し上げたい。
 もとよりライトレールという交通手段はバスと鉄道の中間に位置するものであり、日常生活の中の簡便な移動手段であることから乗車定員もそれほど多くない乗り物なのだ。ところが現在までのところ予想を超える乗車状況となっていることからいくつかの問題が発生している。中でも最大の問題は通勤時間帯に超満員状態になることから電停での乗降に時間が掛かりすぎるということである。その結果、運行の定時性が損なわれ、さらには踏切での遮断時間が長くなるなどの問題なども発生しているのである。
 解決策としては、降車口が前方の一カ所となっているものを改めて後方からも降車できるようにすれば良いのである。ところが運賃を収受する乗務員は一人しかいないため後方で降りる乗客の運賃をどう受け取るかという課題が浮上することとなる。そこで考え出した対応が信用乗車という考え方なのである。
 幸いポートラムはICカードによる運賃収受のシステムを導入しているので、全ての乗降口にICカードを読みとる機械を設置すれば少なくともカードを利用している人は後部からも降りれることになるのだ。
 さて、ここで問題になるのが不正乗車をする人間が出たらどうするのかということである。カードを使う人は手元のカードを機械に当てればピッと音が出て運賃の精算がされることになるが、便乗して手ぶらで降りようとすれば誰も監視していないだけに充分に可能なのである。それでなくても乗車してくる人混みをかき分けて無理矢理運賃を払わずに降りていったという不届きなオバサンの報告を聞いたばかりである。そもそも現在は日中や休日は運賃が100円に割引されているのだ。たかだか100円をキセルするという程度の悪い人間が富山市民にいるだろうかとタカをくくっていたのだが甘かったということだ。はたして監視の目が無い中で降車できることにして大丈夫だろうか
 しかしそんな人ばかりじゃあるまい。ほとんどの人はカードを読みとり機にかざして降車されるに決まっていると僕は思うのだ。ごく一部のさもしい心根の人の振る舞いを恐れて乗降に時間が取られている問題に手をこまねいている訳にはいかない。ここは市民の皆さんを信用して後部車両からも降車できるシステム、信用乗車システムを一日も早く導入したいと思う。せめて通勤時間帯だけでもそうすることに市民の皆さんのご理解とご協力をお願いしたいのである。同時に、もしも不届きオバサンが出没した場合には周りの皆さんが打擲していただけたら大変有り難いと思っているのだが…。