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命短し恋せよ…

森 雅志 2006.09.05
 「30代未婚男」という本がある。結婚しない30代の男性が増えていることについてその背景や問題点を論じた評論である。
 先ずは年齢別未婚率を見てみよう。男性の未婚率は25〜29歳の層で72,6%、30〜34歳が47,7%となっており、女性の方は25〜29歳の未婚率が59,9%、30〜34歳が32,6%となっている。男女ともに30歳で独身ということが当たり前になっているのだ。
 上記の本は以上の数字などを踏まえながらなぜ30代の男性が結婚しないのかについて考察しているのである。同書がその理由として挙げている何点かについて僕の所感も添えて紹介してみたい。
 一つに経済力がないことを挙げている。しかし昔から若いときは金がないものと相場が決まっている。お金がなくても温かい家庭は築けると思うのだがナァ。現に「できちゃった婚」のカップルなど頑張っている20歳前後の夫婦もいるじゃないか。
次にコミュニケーション力の低下が挙げられる。確かに女性と上手く会話できないという話はよく聞く。そんなことだからオタク化していくのだろうナァ。僕など誰かと話すことは楽しくてしょうがないけれど…。
 次の大きな背景が親離れの遅れだとされている。結婚していない男性の約7割が30代になっても親と同居している。家族という安定の中にいたのでは新たな家庭を作る意欲が低下するというものだ。先ずは一人暮らしをさせることから始めてみますか。
 また、お見合いの減少が挙げられている。戦前は初婚同士の夫婦の7割が見合い結婚だったが、最近は7%にとどまっているそうだ。しかし見合いという形式じゃなくても誰かが介在して出会うカップルも多いはずだ。因みに僕ら夫婦が引き合わせたカップルには昨年男児が誕生している。もっと周りがキューピット役を買って出るべきだろう。
 もとより30代未婚男性問題は極めて個人的な問題である。しかし同時に大きな社会問題でもあるのだ。一人ひとりの個人が社会の基本的な単位だとする英米型の個人主義と違って、わが国社会の基本単位は家庭だと思う。家庭を基礎として地域社会が形成されているのである。家族がお互いに支え合いながらしっかりとした家庭を築いていくことが大切なのであり、やがてその家庭から次の世代の家庭を築くために若者が巣立っていくことが期待されているのだ。その際に用意周到に準備された巣立ちなどあるはずがないじゃないか。若者だからこそ思い切って自ら巣を飛び出して欲しいのだ。そして出会いの中から見いだしたパートナーと新しい巣作りを続けていくことが一つの自己実現なのだと言いたい。
まずは出会いを求めて外に出よう。家の中で考えていたって恋は芽生えない。「恋は思案の外」とも言うじゃないか。(あれ?チョット意味が違うけど…。)さしずめ、命短し恋せよ男子!というところか。