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エンジン01のこと

森 雅志 2015.01.05
 今日はエンジン01の話をしたい。正式な言い方をすれば、エンジン01文化戦略会議オープンカレッジin富山という名称のイベントのことである。簡単に言ってしまうと、我が国を代表する文化人や専門家が富山の地に集い、市民を対象としてさまざまな講座を開いてもらえるというものである。
 具体的な日程は、今年の3月27日の金曜日にオーバード・ホールでオープニングイベントを行い、28日に富山大学五福キャンパスにて各種講座を開催。最終日の29日に再びオーハード・ホールで閉会という段取りである。また、28日の夜には市内のいくつかの飲食店で講師と市民とが飲食をしながら話し合う「夜楽(やがく)」も開催される予定だ。
 エンジンという名称の由来について紹介したい。エンジンと言っても自動車のエンジンではない。エンジン(ENJIN)は、Encourage Japan Intelligent Networkの略である。直訳すれば日本を元気づける知性の集合体ということになるのだろうか。新時代の文化形成のための「エンジン」の役割を果たすという意味が掛けられているのだと思う。また、異分野の才能が「円陣」を組むことを呼びかける意味もあるとされている。01にはこの運動が発足したのが2001年であることから、一から出発するという想いと、デジタル時代の選択肢のシンボルマークとしての意味が込められているという。文化戦略会議の事務局によれば、全体として「一から再構築する文化のエンジン」という意味だとされている。元代表の樋口廣太郎氏らの命名だそうだ。うまいネーミングだと思う。
 現在は作曲家の三枝成彰さんが代表に、作家の林真理子さんが幹事長についておられ、多くの文化人が会員となっている。今度の富山大会はその実行委員長に映画監督で俳優でもある奥田瑛二さんがつかれ、副委員長に華道家の池坊美佳さんと前述の三枝さんがついている。すでにこういった皆さんや多くの実行委員の皆さんが富山に来ていて、プレイベントなどをやっていただいている。富山大会の基本コンセプトは「触れて、感じて、富山。」であり、テーマスローガンは「女はつよいよ。男はつらいよ。」となっており、かなりインパクトのあるポスターもあちこちに掲示されている。具体的な講座名やプログラムの内容は1月の30日に発表が予定されているので今のところ不明だが、150名近い会員の方が参加予定と聞いているので盛りだくさんの講座が開講されることになるだろう。講座を受講するには原則として500円のチケットが必要だが、その販売は2月1日以降となり、インターネットでの申し込みや、一部のコンビニやオーバード・ホールなどでの販売も予定されている。
 このイベントは地元で暮らす我々にとって、日頃あまり触れる機会がない多くの文化人の講座に参加することで知的好奇心を満たし世界観を広げることにつながる良い機会になると思う。多くの方に参加してほしいと思う。
また、前回の開催であった甲府大会を例にとれば来場者数が延べ2万人規模とされている。それに倣えば、県外から富山に来てくれる方が多くなるということだ。その方々に富山に対して好印象を持ってもらうことが重要ということになるので、普段以上に「おもてなしの心」が大切ということだ。みんなでおもてなしをして大成功につなげていきたいと思う。頑張りましょう。