最近になって国立西洋美術館にフェルメールの「聖女プラクセディス」が常設展示されていることを知った。もっともこの作品は他の画家の作品が後になってフェルメールの作品として認定されてしまったという説が強くある。こういう場合真作に対して非真作というらしい。また、「フェルメールに帰属すると考えられている」作品という言い方もある。国立西洋美術館ではこの後者の言い方での展示になっているらしい。 いずれにしても真作・非真作論争のあるものも含めてフェルメールのものとされる作品は37点しかないのである。その内の「合奏」という作品は盗難によって行方不明の状態にあり見ることができない。さらに「聖女プラクセディス」は公開を拒む個人の所有であり保管場所が不明であるとされてきた。したがってどんなに頑張っても35点しか見ることができないとされてきたのである。僕は今のところ、34点を鑑賞しているので残りは1点であると思ってきたし、目標としてきたのである。ところが、である。鑑賞不能と思われてきた「聖女プラクティス」が知らないうちに国立西洋美術館に常設展示されていたと知って大変に驚いたのであった。西洋美術館のホームページを見てもいきさつの記載がないので詳しく知ることができないのだが、所有していた人の死亡に伴い、相続人がオークションに出し、落札者の配慮によって寄託されているのではないかと想像している次第。何にしても、なるべく早いうちに上野の森に足を運ばなくてはなるまい。35点目の鑑賞の日は近いのだ。そのあとはロンドンのクイーンズ・ギャラリーかバッキンガム宮殿を目指すということになるのだ。女王陛下がお元気なうちに足を運びたいと思う。
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