平成19年8月8日
 5日に、日ごろからお世話になっている大先輩のご配慮で、初めてヨットに乗った。トイレやキッチンも付いた本格的な豪華ヨットである。大きな帆にいっぱいの風を受けて滑るように海上を進むヨットの船上はまさに別世界であった。きらめく陽光、深い蒼色の海、頬をなぜていく爽風。たとえようも無く気持ちの良い時間であった。舵を持たせてもらった瞬間は、「太陽がいっぱい」のアラン・ドロンか、そのリメーク版の「リプリー」のマッド・ディモンになりきっていた。残念ながら、地中海ではなく新湊沖ではあったものの…。
 沖に出てから停泊し、小型船が引っ張るバナナボートも楽しんだのだがこれもまた楽しかった。大声を揚げて海中に飛び込んだのは何年ぶりのことだろう。この歳になって若者のように歓声をあげていた自分に驚いた。驚いたと言えば、同行していた長女が意外にも水上スキーに挑戦したことにはビックリするくらい驚いた。(なんていう表現じゃ。) それも自分から進んで挑戦していた様子や、船首から海に飛び込んだことなどを見て、娘の本当の姿を知らなかったなぁと反省もした。考えてみれば、何年も親元を離れていたのだから、高校までの彼女の生活とは違った人生を生きてきたのだ。意外な顔を見せてくれるのは当然である。
 いずれにしてもマリンスポーツの魅力にはまった一日であった。深みにはまる前に日常に戻らないと、船が欲しいなどと考え始めそうである。危ない思考を払拭するためにという訳ではないけれど明後日からは薬師岳登山である。山行にはまっても欲しがる物はせいぜい新しいストックくらいだから安心である。結構充実した夏が続いている。ありがたいことだ。