平成28年12月31日
いよいよ大晦日。今年は公私ともに本当にいろいろなことがあったけれど全体としては良い年だったと思う。仕事の面でも良い結果を出せたと思うが、何よりも長女の結婚という大きな出来事があった。妻の葬儀の際に「片翼の推進力を失くした双発機と2機の小型機で何とか編隊飛行を続けていきたい」と述べたが、長女の結婚によって編隊の構成が片翼だけの旧式双発機と中型双発機、そして次女という小型機の3機体制になった。新しい編隊飛行がこれから続くことになる。低空飛行でも良いから、低速飛行でも良いから連携を良くして飛び続けていきたい。中型機が新しい基地を作ることになる一方で、小型機は大空高く自由に飛び回って欲しい。片翼ポンコツ機はそんな2機を視野から外さないようにしながらゆっくりと穏やかに飛んでいくさ。

 今年も多くの方のお世話になった。感謝に尽きません。心からお礼申し上げます。
 そしていい旅ができた。たくさんの読書ができた。良いコンサートやステージに足を運ぶこともできた。
 みんなこれからの日々のための血肉となったのだ。来年も充実した時間をたくさん持てたらと思う。

 それにしても良い年であった。幸いである。感謝。感謝。
 来年も良い年であることを願いながら冬眠に入ります。

 

 
 
平成28年12月26日
 僕は目薬を注すのが苦手である。小さい時から目薬を注す時には身体を横にして寝そべってから注していた。そんなこともあってほとんど目薬を使わないで生活をしてきたのである。そうは言っても、老化が進み目の疲れやかすみに悩まされることが多くなってきた。また、目薬を注した方が良いと薦めていただく方も多くいることもあり、目薬をいつも携帯することとした。そのためには横にならなくても注すことができるようにならなければならず、この連休に特訓をした。おかげさまで、片手で目を大きく開きもう片方の手で注すことが、何と立ったままでできるようになった。大きな進歩である。人間、幾つになっても向上心が必要なのだと思わされた。はははは。いやあ、立派、立派。
 
 さて今朝のことである。先に書いた娘の結婚披露宴の後日談が生まれたので披露したい。あの披露宴は湿っぽくならずに、明るく朗らかな良い宴であったことは先述したとおり。したがって、よくある娘から父への感謝の言葉や手紙の披露というものがなかった。おかげでウルウルすることさえなかった。ただ宴の最後で彼女が産まれた時の体重に相当するお米を入れた袋に赤ん坊の頃の写真を貼ったものを手渡されていた。こんな顔だったななどと思いながら宴の翌日以来仏壇の隣に置いたままにしていた。そんな中、今朝になって米びつの中が寂しくなっていることに気づき、その米を入れようと思い立った。袋に施された包装をはずし、写真をそっと剥がしてみたところ包装に覆われていた部分に短い手紙が書かれてあることに気付いた。「おとうへ」(おとうさんへ の意味)と題された手紙は僕の心に響く内容であった。こんなところに隠されていたなんてと思いながらも嬉しい発見であった。そして、娘たちに気付かれる前にそっと目薬を手にしている僕がいた。今朝の僕の目が充血していたとしたらそれは目薬を注す練習のせいということにしておこう…。

平成28年12月1日
 11月27日の日曜日、無事に娘たちの結婚披露宴ができた。朗らかで清々しい宴であった。あらかじめ娘と打ち合わせて、いかにもお涙!みたいな企画はやめて欲しいと頼んであったので、アット・ホームな感じの爽やかなセレモニーになったと思う。娘が終始楽しそうで幸せ感に満ちていたのが良かった。開けっぴろげに嬉しそうにしていたのが印象深い。何日も前から、何時間もかけて、式場のスタッフと打ち合わせをしながら、真剣に企画してきた宴は2人の思惑通りの結果になったに相違ないと思う。良くやったなあという爽やかさに包まれる。良かったなあ。
 ほとんど全ての出席者が僕の涙を期待していたようだが、なにせ爽やかな雰囲気で終始したので、期待に応えることができなかった。ちょっと意外な感じもするけれど、ウルウルするということはなかった。幸せそうな表情の2人を微笑ましく見守るばかりであった。記憶に残る時間を持てたと言えば良いのだろう。忘れることはあるまい。
 次女や僕の両親や、僕の友人や、娘の友人たち、みんながみんな、爽やかさに包まれた時であったと思う。その実、みんなこっそり目頭を押さえていた瞬間もあったのかも知れないけれど…。
 僕の両親が「良かった!良かった!」とつぶやきながらしきりに涙を拭いていたのが印象深い。思わず、つられそうになったのだが、上手く誤魔化していたのが本当のところ…?。まあ、いいか。
 昨夜は出発直前の空港から電話をくれた。弾んでいる声が嬉しく響いた。こういうのを、一番良い時と言うのだろう。2人で相談しながら旅を楽しめば良い。そうやって日々を重ねて行けば良い。そうやって2人の歴史を紡いでいけば良い…。はなむけの言葉をかけてやる機会がなかったので、ここでこっそり…。ということです。