平成15年4月24日
 4月の異動によって新しい体制になった市役所もそろそろ本格的に始動してきた。歓送迎会だとか事務の引継ぎだとか落ち着かない雰囲気が続いていた分、新年度が始まったとは言えどことなく停滞感が漂っていると感じていたが、ここに来てエネルギーが溢れてきたように思う。もう数日で選挙のシーズンも終わることでもあり、みんなで仕事モードに切り替えなくてはなるまい。
 選挙といえば、今回の県議選、市議選ともに土下座をしたり候補者の家族の涙を前面に出したりという、言わば情に訴えるような戦術が目立つ。選挙戦術としては不思議に効を奏しているようだが、個人的には気に入らない。もっと政策の主張が前面に出てくるべきではないのか。有権者の側に問題の本質が潜んでいる。やはりウォルフレンが言っているように、日本社会には本当の意味での選挙制度や民主主義というものが定着しきっていないということなのか。難しい問題だ。
平成15年4月9日
 イラクの戦争もいよいよバグダッド市内での市街戦の様相を呈してきた。ロイター通信の記者が直撃されるという事態も発生した。ここまできたら一刻も早くフセイン体制が崩壊して戦争が終結することを願う。戦後処理を文字通り独裁体制からの開放という形で展開することができるかどうかがポイントだろう。アラブ世界からの一定の支持や理解を構築しなければならない。それができないとすると現在の激動と混迷状態が深刻化することになる。世界史的にも重要な局面にさしかかっていると思う。
 今日は桐朋学園大学院大学の入学式であった。学長や理事長の挨拶の中でも現下の時代認識の披露があり、そういう時代だからこそ芸術が果たす使命は大きいというような内容であった。感銘を受けた。ヘーゲルの言った「ミネルバの梟は黄昏に飛び立つ」という言葉を思い出し、今こそこの言葉の意味を考えなくてはならないと思い、僕自身の挨拶の中でそのことに触れてみたが、はたして若い芸術家たちは理解してくれたのだろうか。今からでも遅くない、梟が世界中に飛び立つことを願ってやまない。
平成15年4月2日
 いよいよ昨日から新年度が始まった。おかげさまで昨日は「富山地域合併協議会」も発足し、事務局の設置も終わった。これからの具体的なすりあわせの作業が大変なことになると思われるが「寛容」を旨として仕上げていきたいと思う。
 今日、今年度の新規採用職員に講話をした。思えば僕らの子供のような年齢の若者たちである。大いに元気と意欲を発揮して欲しいと期待して全員の顔を見ていたが、みんなあふれるような若さで満ちている。うらやましいくらいだ。
 どんな状況であれフレッシュマンを見ているのは気持ちがいい。おかげて今日一日はさわやかな気分で過ごせそうだ。なぜか早く家に帰って子供の顔を見たい気分になってきた。僕の子供たちもきらきらとして毎日を過ごしてくれるといいのだが…。子供達にエールを贈ろう。