平成17年10月14日
 2008年、平成20年から全国一斉に成人識別機能付たばこ自動販売機が導入されるそうだ。未成年者が自動販売機でタバコを購入するのを防ぐために、成人者だけに発行するたばこカード(ICカード)を読み取り機にタッチさせないと販売機が作動しないというシステムだそうだ。不明にもこのことについて最近まで全く知らなかった。コンビニなどの対面販売に際しても疑わしい場合には年齢を証明する身分証明書の提示を求めることになるらしい。学生時代はヘビースモーカーだった僕としては複雑な思いである。親にお遣いを頼まれた小学生であっても売らないそうだから徹底している。やがて酒類の販売にも波及していくかもしれない。おとっつぁんに言われて子供が酒を買いにいく落語があったような気がするが、そのうち上演できなくなるかもしれないなあ。
 もっとも十数年前にアメリカで身分証明証の提示がないからとビールの販売を拒否している現場に遭遇して驚いた記憶がある。銃の社会はここまで徹底しないといけないのかと感心していたものだ。それに比べればわが国はあまりに野放図だったのかもしれない。しかし、このことについても飲むや飲まずの学生生活をしていた僕としては複雑なものがある。
 若い頃の掟破りに関して付け加えれば、こっそり成人指定映画館に入ったときの感動と興奮というものもあるのだが‥‥。これもやがて成人カードが求められるのだろうか。日活ロマンポルノが懐かしい。名作「一条さゆり 濡れた欲情」の神代辰巳監督も亡くなってしまったし。そう言えば藤田敏八監督の「八月の濡れた砂」というのもあったな。これなどは青春映画の傑作だったと思う。
 話がとんでもないところに転がってしまったが、たばこカードから成人映画カードを連想する僕の思考がおかしいのかもしれない。(たしか「八月の濡れた砂」の主題歌を井上陽水婦人の石川セリが歌っていたっけ。)