平成25年11月19日
 今日、初めてのインド旅行から帰ってきた。インド旅行と言ってもムンバイで1泊、アウランガーバードというところで2泊という短い旅なので郷土の先人のように「インドで考えたこと」などという訳にはいかない。街の埃っぽさやスラムで暮らす人たちの様子に驚かされはしたものの、それもこの国の奥深さなのだと感じながら帰ってきた。上手くいえないけれど、凄い!!という感じかな。
 目的はアジャンタ石窟群とエローラ石窟群に足を運ぶことだったのだが、大驚愕、大感動、大感激だった。(興奮のあまり文章になっていないのをお許しください。) こういう遺跡こそ世界遺産というのだろうなあ。人類史遺産と言うべきか。一度行ってみてください。お薦めです。
 旅の途中の面白エピソードを2題。
 一つは、アジアの観光地につきものの、たかるようにやってきて離れない土産物売りの人たちの話。数え切れないほどの土産物売りが僕らのグループに付きまとい、流暢な日本語で売りつけにきて閉口させられた。じっと声も出さず、嵐が過ぎ去るのを待つように黙々と彼らの中を歩いていた僕であったが、悪戯心がわいてきて、韓国語で大きな声を出し、「要らないよ」と言ってみた。驚いたことに彼らのうちの何人かが韓国語で返してきたのであった。恐るべしインド。
 二つ目はたわいも無い話。2泊目の朝、ホテルを出る前に部屋を片付けてゴミをゴミ箱に入れておいた。その際に、旅先で捨てようと思って身に着けてきたパンツとシャツもゴミ箱に投げ入れておいた。少しづつ黒ずんでくる下着は旅に出るときに意識して捨ててくるのが僕の流儀?なのである。そういう人は結構いるんじゃないかな? ところがこの日は予想外の展開があった。夕方にホテルに帰ってみると、ベッドの上に捨てたはずの下着がきれいにたたんで置かれていたのであった。またまた恐るべしインド。もちろんもう一度ゴミ箱に、今度は2日分を投げ入れて帰ってきたのだが…。ちなみにベッドメイクのチップははずんでおきました。
平成25年11月8日
 たいへん良い本に出会った。『「日本の朝鮮統治」を検証する』というアメリカの歴史学者による研究書である。ジョージ・アキタ氏、ブランドン・パーマー氏という近代日本政治史研究者の共著である。あくまで史実に基づき、客観的に検証しようとするアプローチが素晴らしい。日本統治下の朝鮮の人々の体験に焦点をしぼった民俗史観的な論文などを紹介すると同時に、最新の研究成果を踏まえながら極めて客観的に検証されている。そして日本の統治政策が「当時としては驚くほど現実的、穏健かつ公平で、日朝双方の手を携えた発展を意図した」ものであることを明らかにしている。決して面白い本ではないので読み進むことに骨は折れるけれどお薦めします。山県有朋の偉大さに驚かされてしまった。あの頃のリーダーは大きいなあ。