平成20年11月28日
 気がつけばもう月末である。明日、明後日が土日なので執務室のパソコンで入力できるのが今日いっぱいということになり、僕にしてみると今日が月末。登庁して直ぐに慌ててパソコンに向かった。
 今月はいろいろなことが、それも重大なことが多発した月であった。初の黒人大統領にオバマ氏が当選した。ブッシュ政権が8年間続いたことによる閉塞感に加え、サブプライムローンに端を発した歴史的な金融不安に覆われていることもあって多くの支持を得て圧勝したが、アメリカ国内のみならず世界の多くの指導者が期待を寄せている状況になんとはなしに歴史の転換点なのではないかと感じる。小学生の頃、ひそかにケネディの写真をランドセルに忍ばせていたことが思い出される。今の子どもたちの中にも若さ溢れるオバマにあこがれる者が沢山いるのだろうなあ。能力主義で即戦力の政権を作って欲しいと思う。新時代のリーダーシップを。
 それに引きかえ、わが国総理の体たらくはどうだい。なんとか交付金などは天下の愚策だと思う。景気対策だと言うなら定率減税が当然じゃないか。訳の分からないばら撒きは、仮に国民の多くが本音の部分で無いよりマシだとしてひそかに歓迎していることを見越している上でのものだとしても、選挙をにらんでのものだと言わざるを得まい。もっとも政策は政策なのだから政府の責任において早く予算と法律を成立させて欲しいものだ。それよりもあまりの乱暴発言に驚く。育ちが良くても品格が良いことにはならないということの典型か。お粗末な漢字の読み違いにしてももっと恥じ入るべきだと思うのだが。僕などは育ちが悪いうえに品格が悪いのだから、他山の石としなければなるまい。
 元厚生労働省次官の連続殺傷事件も起きた。最初は血盟団なのかと思ったが、そうでもなさそう。理解を超える時代になったのだろうか。不安に襲われる。
 こういったことなどについてもっと落ち着いて考えながら自分の意見を述べなきゃならないにもかかわらず、忙しくあちこち飛び回っていた一ヶ月であった。反省しきりである。そんな思いでいたら、もっととんでもないことがインドで発生した。ムンバイ市の中心部で10カ所を同時に襲撃する同時テロが起きた。日本人も二人が死傷したようだが、報道ではもっぱら英米人を標的にしているとのこと。120人を超える死者がでているとの報道もある。とんでもないことだ。英米人を探して襲っていることに問題の深さが隠されていると思う。それもアメリカの政権の移行期を狙ってのものだと思う。インド洋、アラビア海、アフリカ沖での海賊の横行も深刻だ。アルカイダとは違う勢力によるテロだとすると世界はますます混沌の海に落ちていこうとしているのか。人種、宗教、貧困、飢餓といったことを背景に暴力と恐怖が蔓延しようとしているのか。不安な時代になったのだろうか。
 せめて、自分たちの周りだけでも暴力と恐怖に縁の無い社会にしなければならない。一人ひとりができることに取り組んで行こうじゃないか。何でもいいから心が洗われるようなニュースが欲しいなぁ。誰か心が和むいい話を知りませんか。