平成27年10月13日
 今月の1日から4日までロックフェラー財団の招待を受けてイタリアのコモ湖湖畔にあるベラージオというリゾート地に行ってきた。ロックフェラーが選定をしたレジリエント・シティのうちの25の市長が参加しての市長合宿のような会議である。随行員も通訳も参加できない会議であり、最初から最後まで英語漬けのハードなイベントだった。プレッシャーも大きかったのだが何とか乗り切ることができた。終わってしまえば良い経験になったと思うし、いささか自信にもつながったかなと思う。全体会議のみならず分科会や4・5人での意見交換もあり充実した内容であった。何人もの世界の市長たちと友人関係を構築できたことが大きな成果だと言えよう。それぞれの都市が多様な課題を抱えており、その課題解決のために色々な対応をしていることが良く分かり参考にもなった。これからの富山にとってたくさんのヒントも得ることができた。
 その会議の議論の中で特に印象深かったのが「難民」の問題であった。最初にアンマンの市長が自らも難民であったと紹介しながら、それでも多くの難民を受け入れていくことは一つの都市にとって大変重い課題であることを訴えた。その後は多くの市長たちからそれぞれの都市の立場で堰を切ったように意見の表明が続いた。もしも僕にも意見を求められた場合には日本のイミグレーションに対するハードルの高い制度について触れたうえで「難民」問題については殆んど議論されていない状況を述べようと考えていた。中東やヨーロッパ、アメリカ、さらにはアフリカの都市の当面している状況に比べると日本の問題認識がいかに希薄なものであるかを突き付けられた思いであった。そんなことを感じている時にニュージーランドのウェリントン市長が次のように述べてくれた。「この問題についてはニュージーランドとオーストラリアと日本の都市は発言する資格はない。我々は陸続きの国境を持たない国なのだから…」と。いずれにしても「難民」問題の議論を間近で聞けたことは僕にとって衝撃的であった。連休にトルコを訪問した際に多くの「難民」家族を目にしていたとはいえ、僕の意識の中ではよそ事の域を出ないものであった。島国意識にとどまらず、グローバルな視点でものを考えることの重要性を再認識させられた。その意味からも今回の会議に出席できことに感謝したい。本当に良い機会に恵まれたと思う。それにしても英語力がなあ…。
平成27年10月12日
 あまりの忙しさのせいで長く書き込みをすることができなかった。なにせ9月の末から今月の7日までワシントン、ミラノ、バルセロナという長期出張。本当に地球一周の旅であった。その後も8日9日と東京。いったん帰って10日にまた東京日帰り、というハチャメチャ日程であった。パソコンを持ち歩かない僕としてはブログの書き込みどころではなかったのである。
 
 10日の東京日帰りは公務ではなく、あの中尾ミエさんから招待していただいたミュージカルの観劇。このミュージカルは東京、大阪などの都会以外での地方公演は富山だけという日程であり、中尾さんのお気持ちに応えるためにも頑張って日帰りを実行。ところがその内容は最高に面白いものであり、中尾さんに感謝、感謝。11月の2日に上演される富山公演でも多くの方が満足されることになるだろう。おススメです。
 このミュージカルは「ザ・デイサービス・ショー」というタイトルで、デイサービス施設に集う高齢者がみんなで童謡ばかり歌わされるという現状に疑問を抱いた主演の中尾さんが高齢者でもロックンロールで盛り上がろうと施設利用者を鼓舞するという内容なのである。モト冬樹さんや尾藤イサオさんなどがロックンロールで盛り上がる高齢者を実年齢そのままに熱演するのである。何とあの庄司花江さんがエレキギターをかきならすことに驚いてしまった。まあ、面白いのである。高齢者のことを「ニュー・ヴィンテージ」と表現したことにも唸ってしまった。帰り際には思わず、CDを買っていた。
 これを読んでいただいた皆さん!是非とも来月2日の富山公演に足を運んでみてください。自分が後期高齢者になった日のために新しいことを始めたいと思わさせられるミュージカル!本当におススメです。