平成22年7月16日
 月曜日から昨日の木曜日まで東京に出張。昨日は経団連の依頼で講演をした。さすがに日本を代表する企業の役員の皆さんの前で話すのは初めてのこと。充実した時間が持てて楽しかった。今日は市内の企業の依頼で出前トーク。今後も講演の予定が目白押しである。富山市の認知度を上げるためにも露出度を高めていくことは重要だと思うので頑張りたいと思う。
 さて、今回の東京出張の中で面白いことがあった。経済産業省の前で待機していたタクシーに乗ったところ、ドライバーから次のように言われたのである。「実はタクシーに乗って3日目なので全く道が分からないのだがそれでも良いでしょうか。」と。もちろん大丈夫だと答えて目的地を告げたものの、案の定、方向も分からない様子。道順を指示しながら何とかたどり着いたものの危なっかしい運転であった。九州の出身で東京に初めて出てきたと言っていたから当分大変な日が続くだろうなあ。「とにかく道を覚えるために勉強するしかないが、頑張りなさい。」と激励しておいた。仕事で失敗したのか、失職したのか、それとも駆け落ちでもしたのか、理由は分からないけれどもう若くない年齢で、異郷の地で職を得ようとすると、やっぱりタクシー業界になるのかなあ…。
 20年ほど前にホノルルで乗車したタクシーのドライバーがベトナム難民でほとんど道を知らなかったという経験がある。あの時も僕が住宅地図を見ながら2人で苦労して目的地にたどり着いたっけ…。
 誰にしても駆け出しの時がある。初仕事の日がある。緊張しながら覚束ない足取りで歩きはじめた日がある。当然ながら僕にもそんな日があった。3日目だというドライバーに出会ったのも初心に帰れという暗示なのかも知れないなあ。そんなことを思わされた。
 ところで、昨日富山に帰るときの全日空機は富山空港に向かって降下しながらアプローチした際に、視界が悪い訳じゃないのに途中で反転して能登島上空まで戻って着陸をやり直した。そのうえランディングした後もいつもと違い、滑走路の先まで走ってから向きを変えて駐機スペースに着いた。ひょっとしたら昨日のパイロットも3日目だったりしてね…。(笑)
平成22年7月9日
 昨日、高岡にある〇志会病院というところに知人の見舞いに出かけた。ナースセンターにて知人の名前を告げて何号室に入院しているのかをたずねたところ、「その方は既に退院している。」との返答。失敗したな、見舞いに来るのが遅かったかと思いつつ、退院した日をたずねたところ、事務職風の女性2人と看護師と思しき女性1人とでしばらく協議した後で「教えられない。」との回答。何じゃそれはと思いつつ、その理由をたずねると個人情報だとのたまった。
 実に馬鹿げた対応だ。あきれてモノが言えないというのはこういう場合に言うのだろうなあ。個人情報を漏洩させたり流出させたりしてはいけないと言うのなら、そもそも「既に退院している。」と言うべきじゃないだろう。特定の個人が入院していたという事実、まさに個人情報が他人の知るところとなっているじゃないか。個人情報の保護だと言うのなら、「現在の入院患者の中にはその人はいない。」という趣旨で対応すべきであろう。
 いやいやそんな窮屈なことを言うつもりはないんですよ、折角お見舞いに来たのだから退院したという事実はきちんと教えてあげますよ、という慈母観音のような優しさで接してくれたのだとしたら、退院の日だけが急に個人情報になる理屈が知りたいもんだ。情報の質としては入院していたが既に退院したという情報の方が退院の日という情報よりも重いものがあると思うのだがなあ。
 個人情報の保護ということの趣旨や、保護すべき客体の理解が不充分なのではなかろうか。ときどき個人情報保護という対応に疑問を感じるが、今回のケースも一つの典型だと思う。道具を与えても使いこなせない不器用な人を想起させる。