平成22年11月8日
 6日、土曜日の読売の朝刊、富山欄を見てあきれてしまった。僕の過日の記者会見における発言中の「バカなセンス」というフレーズを取り上げて「森市長のバカ発言」と書いてある。それも三段抜きの見出しとして。記事を書いた記者の程度の悪さにあきれたが、見出しの編集をした者のタイトリングのくだらなさにも大いにあきれた。言うまでもないことではあるが、「バカなセンス」いうフレーズのバカという言葉はセンスにかかる修飾語である。誰かをバカと言っているのではなく「馬鹿げたセンス」だと言っているのである。一方、「バカ発言」という言葉は誰かをバカ呼ばわりした様なときに使う表現であろう。まるで僕が誰かをバカ呼ばわりしたかの様に暗示しようとする極めて卑劣な悪意が充満している。そんな風に言葉を切り取るのなら「ばかばかしい」という形容もバカ発言になるし、阿波踊りの常套句「踊る阿呆に見る阿呆…」を口にすればアホ発言になるのかい。それこそ馬鹿馬鹿しい。
 いたずらに煽るような記事を書いて騒がせようという魂胆なんだろうけど実に程度が悪い。記者としての質の問題であろう。まるでゴシップ記者じゃないか。もっと足をかけたり、人に会ったり、資料を精査したりして取材を重ねるという姿勢は持っていないのかい。事実を手がかりにしながら読者に考えさせるような上質の記事をこんな手合いに期待しても無理というもんだ。
 朝○の記者にもたまにはマトモな感覚や価値観を持っている者がいて驚かされることがあるが、それとは対照的に読売の記者にも時々程度の悪い者がいて今回のようにあきれさせられる。感覚的には三年に1人くらいのペースで質の悪い記者が富山支局に配属されているように思う。こんな手合いをまともに相手にしようとは思わないのは当然のことであるが、悪戯心でからかっておこうかな。くだらないゴシップ記事を書きたいのなら僕の女性交友関係を調べてゴシップ化したらどうだい。しばらくの間、脇を甘くしておくから調べてみたら?もとよりそんな調査能力はないんだろうけどね。
平成22年11月3日
 10月の27日から30日まで1泊4日でローマに行ってきた。行きも帰りも機中泊、ホテルに宿泊するのは1泊だけという弾丸出張であった。富山県薬業連合会とイタリア薬業界との交流を深め、今後のビジネスマッチングに繋げるための訪問団の会議に途中参加してきたのだが、富山側の本気度を示すためには良い機会だったと思う。流暢とは言えないものの、何とかイタリア語で挨拶できたことでイタリア側の参加者には好感触を持ってもらえたと思う。イタリア貿易振興会からもCPAという化学薬学アソシエーションからも来日の際に富山の薬業視察に来たい旨の表明があったことを歓迎したい。
 さて、帰途に面白いことが続いた。まずは空港に向かうためにホテルで呼んだタクシーの運転手。映画アマルフィーの撮影に際して日本の女優を乗せたと言ってDVDを見せてくれた。彼が指差した女優を僕は知らなかったのだが、「日本で有名な女優だ。」と適当にあわせておいたら大喜びしていた。おかげで空港までの40分間、速射砲のような早口イタリア語のシャワーを浴びることとなった。
 次は、ローマ・パリ間の便の出発が遅れたことによりパリでのトランジットが危なかったこと。パリに到着する直前にCAに「大丈夫か?」とたずねると、到着ターミナルと乗り換え便のターミナルは近いから大丈夫だとのことであった。しかし実際には20分間しか余裕がなくホームアローンの映画のように走らされた。ギリギリに飛び乗ってみると出発が20分間遅れるとのこと…。どっと汗が吹き出していた。
 汗が落ち着いた後で隣のシートの日本人のお客に対して騒がせたことを詫びようと話しかけたところ、驚くことに富山県南砺市出身の若者であった。ブラジル、アルゼンチンに出張した後、パリ経由で日本に帰るところだと言う。砺波高校から早稲田に進みトヨタに勤めていると話してくれた。僕の長女より1つ若い好青年であった。ポルトガル語もスペイン語も不勉強なのだが頑張って習得したいと意欲を見せていた。偶然にパリ・成田便で隣り合わせた若者が富山の出身者であり、世界のあちこちを移動して活躍している様子に触れて頼もしく感じた。帰宅した後で、南砺市長に電話で報告しておいたが、彼も嬉しそうに聞いてくれた。
 旅や移動はいろいろな出会いがあるから面白いと思う。特にひとり旅が面白い。たくさん話して、たくさん出会えた旅であった。時差ぼけを感じる前に帰ってきたからか帰ったその日から熟睡できている。今夜はイタリア訪問団の有志とイタリアン・レストランで反省会。彼らは長期の出張だったのに食傷気味ということは無いのだろうか。