平成18年1月31日
 時の過ぎ行くのは速いもので、もう一月も終わりである。新しい年だと言っていたのがもう12分の1過ぎてしまったことになる。ボンヤリしていられないなぁ。
 明日でなんとか予算編成の作業が一段落つくのではないかと思う。財源が厳しい中での作業なので頭が痛い。思えば四年前の1月26日に初めて市長に就任したときには、当時の財務部長から市長復活(各部局に予算内容の内示をした後で、予算化されなかった事業のうちどうしても実施したい案件などについて担当部局が市長に直接再交渉すること)の財源だけで30億円あると示されたものだ。それに比べて今年の作業ではそのための財源が5億円程度しかないのだから大変だった。新規事業を提案した者の中にはこんなに重要な事業なのに何故実施しないのか?とか、効果的な取り組みなのに何故分かってくれないのか?とかといった不信感を抱いたり、失望したりした者もいたのではなかろうか。しかしながら無い袖は全く振れなかったのだ。ときどき情に流されそうになりながらも、なんとか冷静な目で優先順位の議論ができたと思う。もっともこんな作業を続けていくと多くの職員から嫌われたり、信頼されなくなったりするのではなかろうかと心配にもなる。つらくて孤独な作業ではあるがしょうがない。ストレスをためないように発散酒をたっぷり飲んで寝ることとしよう。
 そう言えば、市長という立場になって満四年が過ぎたのだなぁ。楽しくもあり苦しくもあった四年だったが、過ぎてみれば感慨深い。もちろん四年分確実に歳も取った。ここにきて急速に髪の毛が薄くなっている。老化の途をまっしぐらというところか。やはりボンヤリなどしていられない。


平成18年1月20日
 ライブドア・ショックで東京証券取引所のシステムがパンクしたという報道に驚いた。IT社会だといわれて久しいが、まさにそのことを象徴する出来事である。機関投資家はともかく個人の投資家はネットを通して株取引をしているケースが圧倒的に多いことから、ある事象が発生して瞬間的に膨大な取引が発生するとシステム全体が機能不全に陥ってしまったということのようだ。
 少しニュアンスの違う話だが、同日のテレビのニュースで大田区の職員が耐震偽装がされたと思しきビルの強度調査をしたという報道を見ていて同じ様にIT時代の典型を見る思いをさせられた。調査を終えた後、マスコミからの取材に対して彼が次のように答えていたからである。「得られたデータをソフトに流してみてどういう判断が出てくるのかを見てみないと分かりません。」と。つまり、データに基づいて判断を下すのは自分である事を忘れて、ソフトが判断すると考えている様子がおかしくもあり、今の世の中だなぁと考えさせられもしたのである。人間の手作業ではとても処理できないボリュームの情報処理などを高速でこなすというシステムは素晴らしいのだが、人間が判断したり取引したりすることが本来的であるにもかかわらず結果的にシステム自体がその決定権を持っている状況を見ていて、なんか変だぞと感じる僕が時代にあわなくなっているのだろうか。
 ところで今朝は随分と気温が低かった。そのせいで家族が目覚めるや否や一斉にエアコンをはじめとする暖房器具のスイッチを入れたことによって全体のブレーカーが働き、停電状態となってしまった。真っ暗な中でなんとかブレーカーを元に戻したのだが、全く通電する気配がない。しかたなく日頃からお世話になっている電気設備業の知人に電話を入れて対処方の支持を仰いだ。その支持が、落ちたと思われるブレーカーだけではなくて家の配電盤に設置されている全てのブレーカーをいったんオフ状態にして、その後に一つづつ順番に全てをオンにしていくという簡単な作業であった。しかしその結果、我が家に光と暖気がものの見事に回復したのである。コンピューターがフリーズド状態になったときに難しく考えずに、いったんシャットダウンしてから起動しなおすと問題が解決することが多いことと似ていると思った。人間の思考回路に似ていなくもない。どうにも考えがまとまらない時には一旦考えることを止めてしまって頭の中をスッカラカンにしてから考え直すほうが良いという経験は多い。東京証券取引所も一旦休んでから再起動すれば上手くいくのじゃなかろうか。

平成18年1月3日
 謹賀新年。
 穏やかな新年を迎えることができて良かったと思っていたら、仕事始めを前にして今日はまた雪模様となった。明日の朝、また大渋滞になるのではないかと心配しているが、この冬はずっとこんな風に雪が消えることなく過ぎていくのかもしれない。温暖化が進行していると言われていても富山の冬を侮れないということだろう。気を引き締めて仕事に戻ろう。お屠蘇気分は今夜まで。
 明日の執務初めでのスピーチで今年のキャッチフレーズを話すこととなっているが、一足早く披露しておきたい。今年の一言は「出力全開」としたいと思う。昨年の合併以来がんばってきたとはいえ、何処かでならし運転の気配があった。そろそろフル・スロットルで疾走しなければならないという意味で「出力全開」なのである。スピードだけのことを言っているのではなく、持てる能力をフルに発揮していきたいという決意のことである。手を抜く余裕など僕にはないのだから。
 話は大きく変わるが、今年もたくさんの賀状をいただいた。僕は初めて県会議員になった年から年賀状を出さないで過ごしてきた。もともと筆不精だったところに、手書き以外の賀状を公職選挙法が禁じている立場になったことを機会に出さないことを宣言したのである。体の良い口実を見つけたというところである。そんな僕であってもたくさんの方から年賀状をいただく。ありがたいことだ。本当にありがたい。返事も出さないこんな僕なのに、心のこもったメッセージを添えた賀状をいただくと恥ずかしさにとらわれる。申し訳なさでいっぱいである。
 せめてこの書き込みを借りて皆さんに新年の挨拶を申し上げたい。
 あけましておめでとうございます。昨年は大変お世話になりました。今年も宜しくお願いします。