平成25年10月16日
 昨日の早朝のことである。朝食の準備をしようとシンクの前に立ったところ、体長3cmほどの小さなヤモリの赤ちゃん?がいた。まだ赤ちゃんだからだろうか色がきれいで清潔感があったもののヤモリはヤモリである。当然のこととしてシンクのキャップを開けてヤモリを落とし、野菜の切りくずなどと一緒にディスポーザーで流しておいた。
 昨夜のことである。娘たちと一緒に夕食を摂った後、食器を洗っていたところで長女がシンクの中に小さなヤモリがいなかったかと訊ねてきた。朝の顛末を話すと、「お父さんはなんて酷い人だ。」と言い出して大騒ぎになった。「あんな可愛いヤモリになんてことをするのだ。」[3日前からシンクの中でそっとしておいてあげたのに…。」「それもディスポーザーで殺すなんて酷い。」「なんて酷い人だ!。」と続くのだった。娘たちはヘビが好きなだけでなくヤモリも好きだったのか。僕には信じられないことだが…。ヤモリであれイモリであれアカハラであれトカゲであれ、ああいう生き物にはなるべく触れたくないのだけれどなぁ。しようが無く、「ながしてしまったのだから仕方が無い。」と開き直ってその場を立ち去ったのであった。そう言えばタモリというのもいたっけ。

(補足 「こんな書き方じゃ3日間ほどお皿も洗っていなかったみたいじゃない。」と娘から指摘されたので蛇足的に補足します。わが家の台所にはシンクが二つあるのでもう一つの方を使っていた次第です。)
平成25年10月15日
 千葉市校外にあるホキ美術館に行ってきた。この美術館は2010年にオープンした写実絵画の専門美術館である。写実絵画とは文字通り写実的に描かれた絵画のことである?。実際にあるものを徹底的に細密に写生してリアルさを極めた絵なのだ。まるでカメラで撮影したような絵と言ったほうがいいか?しかし、写真と写実絵画とは似て非なるものなのである。写真は一瞬にして対象を切り取ってプリントする。しかし写実絵画にその能力は無い。風景は風などで動き、光は変化し、モデルは静止を続けることが難しい。そういう創作環境の中で真に写実的な絵画を描くためには、細密な線を引く筆力だけでは足りず、対象を凝視する眼力が必要であり、理解力と想像力が必須なのだと思う。そこが僕をとりこにするポイントなのである。
 風景や静物を描いたものも素晴らしいと思う。しかし、写実絵画の魅力はなんといっても女性美にあると思う。実際のモデルを超えて表現される透明感や優美さ、そして着衣の質感、ドレープの柔らかさなどがあいまって醸し出す女性美、それが魅力なのである。息をのむほどの感動があると思う。
 そんな写実絵画の専門美術館の存在を知ってはいたのだが、千葉市の校外まで出かける機会を見つけられずにいた。そのホキ美術館に足を運ぶことができたのである。大感動を抱いて帰ってくることができた。建築が素晴らしい。展示が素晴らしい。スタッフの対応が素晴らしい。何よりも僕のお気に入りの多くの作家の作品をゆっくり鑑賞できた感動は今も続いている。島村信之、生島 浩、卯野和宏、そして憧れの塩谷 亮といった作家達の作品に圧倒されて帰ってきた。
 多くの人にもお奨めしたいと思って推敲もしないで乱暴な文章を書いてしまったけれど、嬉しさのあまりのこととご寛恕を。ホキ美術館。お奨めです。
因みに数ヶ月前に中島健太という若手作家の作品を一点購入しました。娘たちも気に入ってくれています。いずれこの作家もホキ美術館に名を連ねることになればいいのだがなぁ…。