平成26年3月26日
 いくつになっても知らないことは沢山あるものだ。つい最近、そんな思いにさせられることがあった。
 第一次南極観測隊が越冬を諦めて南極を離れた際にかの地に置き去りにしてこざるを得なかったカラフト犬15頭のうち2頭が1年後にも生存していて確保されたという、有名な「南極物語」の話を覚えている人は多いと思う。あのタロとジロの話である。僕も子どもの頃に感動させられたことを覚えている。しかし、この犬ぞりのために準備されたカラフト犬が南極に渡る前に訓練をしていた場所が室堂だったということは全く知らなかった。当時、富山大学の学生であったという大先輩からこのことを教えられて本当に驚いてしまった。この方はアルバイトとして採用されて、室堂での訓練期間中犬たちの世話をしていたのだった。あのタロとジロが立山で暮らし訓練を受けていた時期があったのである。大きな驚きであった。
 世の中は知らないことのほうが圧倒的に多いということなのだろう。時どきなんでも分かっているような物言いをしてきたかと思うと、無知を恥じるばかりである。

平成26年3月19日
 「夫源病」という病気があるらしい。と言っても、医学的な病名ではないとのこと。40歳から60歳代の女性の間で更年期障害とされてきた体調不良の原因の一つに、夫の無神経な言動や無関心などがあるとして大阪市のある医師が「夫源病」と名づけたらしい。夫の無神経な立ち居振る舞いや言動が原因で気持ちが落ち込んだり気が塞いだりしたあげく、身体に変調をきたすということだ。さもありなん、という気がする。世に無神経な男性は多いからなぁ。かく言う僕もそんな日があったのかもしれないなあ。さすがに暴言をはくということは無かったと思うが、妻の心の動きや悩みに気付かずに無神経に振る舞ったことはあったに違いない。いまさら反省しても遅いけれど、せめて娘たちを「父源病」にさせることは無いようにしなければなるまい。
 この医師によると夫源病を招く夫の典型的な行動として、①『誰に食べさせてもらっているんだ』などとした高圧的な口癖がある。②妻が今日の出来事などを話しても上の空、③定年退職した途端、妻にまとわりつく、の3態様をあげている。そのうえで妻の方が我慢強く弱音をはかないタイプだと夫源病にかかりやすいとのこと。思い当たる人は少なくないんじゃなかろうか。
 対処法はあまりべったりとくっついて生活せず、プチ別居が良いそうだ。互いに干渉せず自由に暮らすということだろう。なるほど、かつてのわが家のように暮らせばいいということだ。わが家の場合は自由すぎた面もあったけれど…。久しぶりに妻との暮らしを思い出した。
 
平成26年3月12日
 昨日が東日本大震災から3年。富山市議会本会議だったので議長の発案で議場の者全員で黙祷をした。震災以来のことをいろいろと考える。思いが大きすぎて簡単には活字にできない。

 僕は3年まえの今日、東京からほうほうの体で帰ってきて直ぐに発熱して入院したのだった。既に入院していた妻が「夫が初めて入院したというのに何もできない…。」と泣いていたと聞かされて反省をしたことが思い出される。病むということは回りに心配をかけることなんだと実感させられた。
 僕の病は数日で回復したのだが、あの日の津波で家族や近親者を亡くした人の心の病が癒される日は遠い。被災者の心を思うと言葉が無い。日本人全体が受け止めなければならない悲しみである。天皇陛下のお言葉に心を動かされた。そして去年の今頃にこのコーナーで紹介した皇后陛下の御歌を思い出した。
 「生きているといいねママ元気ですか」文(ふみ)に項傾し(うなかぶし)幼子眠る
 あの昆愛海ちゃんのことを詠まれた御歌である。お心が沁みる。「ままへ いきているといいね おげんきですか」と手紙を書きながら寝入ってしまった少女の写真を思いだす。3年たった今、彼女はどうしているのだろうか。読売新聞が今の彼女の様子を記事にしてくれるといいのだけれども。元気でいて欲しい。
平成26年3月4日
 今朝は4時に起きて、玄関に飾っていたお雛様の木目込み人形を片付けた。仕舞うのが遅れたせいで…、などと言われないようにと思って。もっとも娘たちが小さい頃はヒナ壇状の台に何体も飾るような、絵に描いたようなお雛様セットを飾っていたのでしばしば仕舞うのが遅くなっていた。それを考えると既に手遅れなのかも知れないけれど…。
 かわりに数年前に買った桜の絵を玄関に飾った。いっぺんに春らしくなって気持ちが良い。外に出ると満点の星空であった。ここしばらく風邪気味の状態が何日も続いて気分が晴れなかったのだが、晴れ晴れとした気分になることができた。気力を充実させて頑張って行きますか。