平成21年3月31日
 いよいよ今日で平成20年度が終わる。明日からは新年度。気持ちをリセットするための良い節目だと思う。明日からまた新たな思いで頑張ろう。
 今朝、今日をもって退職する職員、160名に退職辞令を直接交付した。毎年のことだが、定年退職をむかえた満足感と一抹の寂しさが混じったような表情の人が多い。全員に「ご苦労様でした。」と声をかけながら辞令書を渡したものの、皆さんの胸中を去来するいろいろな記憶や感情を思えば、もう一言、「ありがとうございました。」と言うべきだったのか。定年を待たずに自己都合で退職した人も含めて、すべての退職者にこの稿を借りて改めて謝意を述べたい。「長い間の奉職、ご苦労様でした。そして有難うございました。」
 その際の挨拶で伊能忠敬のエピソードを披露しながら退職者の皆さんのこれからの人生に僕なりのエールを送った。伊能忠敬は50歳になって家業を息子に譲り、それからほとんど独学で測量の学問を始め、17年の歳月を重ねて日本全図を完成させたのである。その時には72歳になっていた。測量した総距離は4万km以上に達したと言われている。それは地球一周に相当する距離なのである。すごい人生だと思う。60歳の定年を迎えたとは言え、人生はそれからこそ大きく花開くものだと言いたかったのである。
 僕の50歳からの挑戦もまだ続いている。50歳になってから始めた、登山、イタリア語、バイク、アルトサックス、小型船舶、料理などの挑戦は楽しみながら続いているのだ。(あっ!バイクだけは危ないからと止められたので封印中。)第二の人生につながる挑戦というほどではないものの、少なくとも老後を充実したものとするためにこれからもいろいろなものにチャレンジしたいと思う。
 
 今日は平成17年4月1日に合併してからちょうど満4年となる日でもある。この4年間は苦労もあったが概ね順調に仕事ができたのではないかと自分なりに総括している。4月の23日には市長としての現任期の満了となる。多くの皆さんのご支援のおかげでこの4年間、働かせていただいたことに心から感謝申し上げる。有難うございました。明日からは次の4年間、いわばセカンドステージへの挑戦ということになる。しっかりと運動をして結果を出したいと思う。いっそうのご支援をお願いします。

 

平成21年3月19日
 半藤一利さんの「それからの海舟」を読んだ。以前から読みたいと思っていたのでワクワクしながらページを開いた。江戸城開城後の勝 海舟の半生や、有名な福沢諭吉の勝海舟批判のことなど興味深く読めた。面白くて一気に読み終える…筈であったのだが、実は大変てこずった。何故なのか。情けないことに、随所に引用されている「氷川清話」や「岩倉公実記」、「西郷遺訓」などの文章中の漢字が読めないのである。前後の脈絡から類推して読んではみたものの、意味が分からない箇所もあり、思い切って広辞苑と日本語漢字字典の大冊二冊を傍らに置き、半分意地になって読み終えることができた。日本人なのに日本語が読めなくなっているということだ。どこかの誰かのことを笑うことなどとてもできないと思った。本当に情けない話である。
 参考までに辞典に頼らざるを得なかったいくつかの言葉を披露してみます。皆さんは読めますかな?
  
  厖雑  鷸蚌の悔い  凍餒の患  豈涕涙襟  余蘊

 次の言葉は読めるには読めるものの意味が分からず広辞苑のお世話に…。
  
  累卵の危うさ  狡兎死して走狗煮らる

つくづくと不勉強さを思い知らされた。昔の人はエライ!!
平成21年3月10日
 以前に東京では異常なほどにマスクを装着した人が多いと書いたのが悪かったのか、数日前から花粉症の症状がでて困っている。ここ数年はあまりひどい症状が出ずにいたので他人事みたいに思っていたのになあ。おかげで僕も朝の出勤時には車内とはいえマスクをつけている。朝食後には鼻炎の薬も服用しているのだが、薬のせいなのか頭の働きが鈍くなっているように感じる。それとも歳をとったのかなあ。来週は上京の予定があるが、あのマスク軍団に仲間入りすることは間違いない。どうせなら本格的な戦闘モードのマスクを買ってこようかな。

 話は変わるが、先日視察にみえたモンゴル国の高官から面白い話を聞いた。モンゴルでは1990年以前には、つまり民主化される前のモンゴル人民共和国の時代に「独身税」という税があったというのである。いつまでも独身でいることは国家に貢献していないこととなり、結婚を誘導するためにぺナルティーとも言える「独身税」が課税されていたらしい。税率や税額までは確認しなかったが社会主義国家らしい制度だと思った。しかし話はそれで終わらないのである。なんと結婚した夫婦であっても子どもがいない場合には「子無し税」が課税されていたというのだ。(もっとも医学的に不妊が証明されれば免税されたらしい。)子どもは国の宝という発想は分からなくもないが、そこまでやるかなあ! しかしまあ、人口減少社会と超高齢社会であることを考えれば誰が国家や社会を維持していくコストを負担するのかという議論に行き着くのだから荒唐無稽な話だと決め付けることもできないのかもしれないな。ちなみに紹介した二つの税は1990年の民主化に伴い廃止されたとのこと。