平成20年10月23日
 先般ローマに出張してきたばかりなのに今度は韓国に出かけなくてはならない。明日から28日までの四泊五日の出張である。ローマから戻ってから今日までの間も東京、京都への日帰り出張や上田市への出張などがあった。また日本女性会議をはじめとするイベントも多くあった。まことに忙しい日々が続いているのである。
 さすがにここ数日疲れがたまっているようだ。自分でも良くやるよなあ!とあきれている。少し意識して休みを取るようにすべきだと思う。
 疲れが残っているせいか、ここのところよく夢を見る。それも、なんでこんな夢を見るんだろうと頭を傾げたくなるような夢が多い。眠りが浅いのだろうなあ。
 若かりし頃の憧れの君が登場するような夢ならいいのだけれど、なんとなく寝覚めが悪い夢が多い。先日見た夢は、以前に経営していた個人事務所の仕事の依頼が少なくなってあせっているという恐ろしい内容であった。吹けば飛ぶような個人商店にとって売り上げが無いということの不安は大きいものがある。何日か仕事の依頼が無い日が続いた時にかすかに感じていた当時の不安感がいまだに僕の心の深層に潜んでいたのかと思って驚いてしまった。そう言えば、禁煙してから20年くらい経っているのに、タバコをすってしまって後悔している夢を見たことがある。人間の心の構造の不思議さを感じるなあ。
 なんにしても浅い眠りのまま疲れを残していてはいけない。せっかく大好きな韓国料理の本場にいけるのだから、仕事は仕事、遊びは遊びのスタイルで楽しんできましょ。5日間の出張中に疲れもストレスも吹っ飛ばして身体中に元気を漲らせて帰ってくることとしよう。では、行って来まーす。


平成20年10月14日
 8日から昨日までローマに行ってきた。ローマの日本文化会館で「ローマ賞典祭・北陸の工芸・現代ガラス工芸展」と銘うって、富山のガラス作家たちの作品などの展示会が開催されたためである。富山市と国際交流基金、そしてイセ文化基金の主催による事業であり、富山市がガラス工芸の振興に取り組んできた歴史の中で初めてとなる海外での展覧会ということになる。富山市にとっても富山で活躍しているガラス作家にとっても大変意義のある企画であったと思う。開催に至るまでの多くの関係者の大変なご苦労に心から感謝を申し上げる。お陰さまで多くの来場者にも恵まれ、イタリアの皆さんからも評価をいただいたことを素直に喜びたいと思う。こういった企画が若い作家たちの刺激になり彼らの創作意欲を触発することを期待したいものだ。
 さて、4泊6日の出張の中で、この展覧会の開会式やレセプションに加えて貴重な体験をいくつか果たすことができた。一つはローマ大学の建築学科において富山市の公共交通を軸としたまちづくりについて講演する機会を得たことである。生意気にも最初の15分間程度をイタリア語で話させてもらった。もちろんイタリア語に翻訳された原稿を見て話したのだけれども、発音の難しい箇所もありかなり練習して臨んだ。おかげで講演後に何人もの学生から質問が出て盛況であった。イタリア語の発音についてほめてくれた人も多く、お世辞とはいえ嬉しく受け止めている。滞在中にはイタリア語で会話する機会も多くあり、少しばかり自信につながった。今はイタリア語の勉強にもっと力を入れたいと燃えている次第。調子に乗りやすい僕の性格がそのまま出ている今の心境である。
 もう一つがローマからスペインのバルセロナまで日帰りの視察に出かけたことである。日帰りで外国に視察に出るなどということは、島国日本では、少なくとも富山では考えられないことである。大変ハードな一日ではあったが初めてスペインに入国したということもありワクワクした出張であった。
 今回の出張の全体がタイトな日程であったのに、帰国した翌日である今日、環境省まで日帰りで行ってきた。我ながら、よくやるなあと感じている。これもまたお調子モンのなせるところか。落ち着いて考える時間を作るようにしないといけないなぁ。
 お調子モンがさらに調子に乗っていたせいか、大阪にいる娘から39度以上の熱を出して寝込んでいるとのメールが届いた。心配しているところに、今度はカミさんから交差点で追突されたと連絡が来る。いやはや大変だ。僕がハシャギすぎた分、家族に凶の部分が集まったということか。家族のみんなに支えられて活動できていることを忘れるなという天の指図であろう。それとも誰にもお土産を買ってこなかったことの罰なのかも知れない。いまからご馳走しても遅いよね…。ゴメン。ゴメン。


 
平成20年10月6日
 土曜日に下の娘と僕ら夫婦で甥っ子の結婚式に出た。娘が初めて和装をした記念に写真スタジオで撮影をしてもらった。親子三人でスタジオで撮影してもらうのは初めてのことではないかと思うが、良い思いで作りになった。
 久し振りに写真館という施設に足を運んで驚いてしまった。内部の様子はスタジオと言うよりも、噂に聞く、怪しい人たちがコスプレを楽しむ秘密クラブを連想させるハデハデさであった。せいぜい七五三の記念撮影のための貸衣装が並んでいる程度だと思っていたが、赤ちゃんに着せる着ぐるみ様の衣装から始まってイブニングドレス様のものまで、店内がハデハデ衣装であふれかえっており別世界化していた。僕には子どもに舞台衣装のようなものを着せて喜ぶ趣味がないだけにあまり理解できない空間ではあったが、かって目にしたハデハデ衣装の子どもたちであふれる韓国ソウルの写真館を連想してしまった。子育て世代の間では日本の韓国化が進行しているということなのかも知れない。店内にいた子ども連れの家族が嬉々としてハデハデ衣装を選んでいる様子に圧倒されて帰ってきた。
 中でも驚いたのは、妊婦とその夫(確認したわけじゃないけど夫婦だと思う。)の二人でポーズを取って撮影していたことだ。妊娠中の大きなおなかの体型を思い出として記録しておくのだと言う。それなら何も写真館で専門家に撮影してもらわなくても…、と思うのは僕だけか。母親のおなかの中にいる胎児の時から子どもの記録が始まっているいるということだろう。そして子どもの成長につれて膨大な写真や動画が記録されていくことになるのか。さらには、折に触れて写真館に足を運び、ハデハデ衣装の狂騒が繰り広げられていくことになるのだろう。親心を思えば、熱心に子どもの記録を続ける気持ちが分からないわけでもないが…。そうは言ってもなあ…といったところか。それにしてもよく費用を捻出できるものだ。
 胎内にいるときから成長の過程を記録していくとしたら、その記録のゴールにあるものはデスマスクということになると思うが、この作業はいったい誰の手によってなされるのかねぇ? (失礼。ブラックユーモアが過ぎました。)
なんにしても僕には今の子育て世代の皆さんほどに熱心に娘の成長過程を記録する能力も意欲も持ち合わせていない。せめて娘には成長の記録は少なくとも誰かの記憶に残る人間になって欲しいと言っておこう。